第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプター①をメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師:栗田康生
国際医療福祉大学 大学院 教授/ハートナーシング編集協力委員


講師:前田明子
杏林大学医学部付属病院 循環器内科不整脈センター 診療看護師(NP)


植込み適応から植込み後の病棟外来管理、合併症、 ペースメーカ不全、外来フォロー、看護ケアまでを網羅!
毎年改訂!大好評14年目、進化し続けるロングランセミナー
累計10,000人突破のDr.栗田の人気セミナーです


配信|CHAPTER 1:ペースメーカの基礎


本セミナーは、

1、ペースメーカの基礎
2、ペースメーカの仕組みとモードの理解、代表的な心電図波形、よくみる設定用語
3、CRTとICDの適応と仕組み、設定の実際
4、ペースメーカ不全と付加機能
5、植込み患者の観察 植込み患者の看護ケアと指導


の5部構成となっています。どの順番で観ていただいても構いません。

まず第1部では「ペースメーカ適応の心電図」からお話していきます。

こちらの動画ですが、まず洞結節を出た刺激が、心房内を通って房室接合部に集まります。そして刺激伝導系を通って心臓の先端までいって、心尖部から収縮が行われます。そして刺激が心臓の先端から、下から上に向かっていくことで心室の血液が下から上に押し出される。このような血行動態になっています。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」①

そのなかで、本セミナーではまず、刺激の出どころである洞結節の刺激が悪くなる「洞不全症候群」、そして心房と心室のつながりが悪くなる「房室ブロック」のペースメーカ適応のお話をしていきます。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」②

まず洞不全症候群ですが、徐脈にともなうようないろいろな症状、あるいは心不全の症状があって、これが洞結節機能の低下に基づくものであると証明された場合、あるいは、安静時ではなくて運動しても心拍数が上昇しない、運動時の心迫応答不全といった場合はペースメーカの絶対適応となります。

場合によっては、必要不可欠な薬剤によって起こってしまう徐脈にも適応となります。

いずれにしても、電気生理検査は絶対適応を判断するうえでは必須ではありません。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」③

洞不全症候群には、洞性徐拍、洞停止、洞房ブロック、徐脈頻脈症候群といった分類があります。ただ、どの不整脈が適応が「ある」か「ない」かということではなく、症状が「ある」か「ない」かというところが治療方針に大きく反映されますので、まずは症状の有無が治療のポイントになります。

致死的になるのは、むしろその不整脈による外傷、というイメージです。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」④

こちらが典型的な洞停止の心電図です。PQRSTとあって、ずっと何もない状態からQRSだけ出てくる。まったくP波が出ていません。ここれが「洞停止」の心電図です。これは午前11時48分の心電図ですが、これがもし23時48分で症状が比較的乏しいという場合には治療は急がないかもしれませんが、午前11時48分という昼間に症状をともなうようなものであれば治療を急ぐ必要が出てきます。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」⑤

次の心電図、答えを先に言ってしまうとこれは「洞房ブロック」です。先ほどの「洞停止」とどこが違うかというと、洞結節が出た後の心房の波形を表すP波が規則的なタイミングで抜けています。

実は洞房ブロック、「洞」と「房」、つまり洞結節と心房の間のブロックなので、洞結節を出た後で心房に到達しないということになります。つまり、図の赤い線のようなタイミングで興奮は洞結節から出ていているものの心房に届いてないのでP波がない心電図となります。

こちらの心電図も症状があればペースメーカの適応ということになります。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」⑥

洞不全症候群でいちばん多いパターンは、下記の図の心電図のように頻拍が突然停止したときにまったくP波が出てこない、またはしばらく出てこないというパターンです。

頻拍の後の長い洞停止、これを「徐脈頻脈症候群」という言い方をします。特にこの長い洞停止のあいだに失神やめまいが起これば、ペースメーカの絶対適応となります。

ただ、患者さんの訴えは「ドキドキ感といった頻拍があってその後にフワッとする」となって、なんとかドキドキ感を止めてほしいという言い方をされるのですが、実はこの頻拍を抑える薬というのは脈を抑制する薬ですので洞停止の時間がさらに長くなってしまいます。そのため、先に抗不整脈薬を投与すると症状が悪化する可能性がありますので、先にペースメーカの挿入をすべきということになります。

もちろん、頻拍に対するカテーテルアブレーションが行われることもあります。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」⑦

ここまでのスライドで「Class Ⅰ」や「Class Ⅱa」といった表記がありましたが、絶対的にやったほうがいいもの・やらなければいけないのは「Class Ⅰ」、やってはいけないものが「Class Ⅲ」、やったほうがいいものが「Class Ⅱa」、やらなくてもいいものが「Class Ⅱb」となりますので、このようなイメージをもってこの後も聴いていただければと思います。

「ペースメーカ」「CRT」「ICD」⑧

次は「房室ブロック」についてお話ししていきますが、続きはぜひ動画でご覧ください。



プログラム


【1、ペースメーカの基礎】
■ペースメーカの基礎
・「ペースメーカ適応の心電図は?」 
・「ペースメーカの構成は?」
・「リード線のないペースメーカってあるの?」
・「ペーシング(刺激)の出力と閾値って?」
・「センシング(感知)の仕組みと感度って?」
などペースメーカ適応となる徐拍の心電図の具体例をあげて解説し、ペースメーカの構成、仕組みを理解していきます。

【2、ペースメーカの仕組みとモードの理解、代表的な心電図波形、よくみる設定用語】
■モードの理解と代表的心電図波形
・「ペースメーカNBGコードって?」
・「VVI,AAI,VDD,DDDモードって?」
・「どのようにモードが選ばれるの?」
など感知や刺激の部位によって名称が異なる基本的なモードと代表的波形を理解して、それぞれの徐拍に対して、いつ、どこで、どのように感知、刺激するのが最適なモードとなるか演習してみましょう。
■設定用語の解説
・「AV delayって?」
・「下限心拍数、上限心拍数の設定は?」
など最初に設定される基本項目をおさえます。

【3、CRTとICDの適応と仕組み、設定の実際】
■CRTの適応と仕組み
・「そもそも同期とか再同期ってどういうこと?」
・「強心剤より良いの?」
・「左室リードってどこに入って、どうやって刺激しているの?」 
など心臓再同期療法(CRT)について、適応と仕組みを理解していきます。
■ICD適応の頻拍
・「どんな心室頻拍にICDを植え込むの?」
・「Brugada症候群とQT延長症候群は全例植込むの?」
・「失神をとらえるために心電計を植込むの?」
などICD適応の頻拍を理解します。
■ICD治療の仕組み
・「抗頻拍ペーシングって?」
・「カルディオバージョンと除細動の違いは?」
・「WCDって何? S-ICDって何?」
など不整脈の機序からICD治療の仕組みを理解します。

【4、ペースメーカ不全と付加機能】
■ペースメーカ不全と対処法
・「ペーシング不全とは?」
・「オーバーセンシングとアンダーセンシングって?」
・「ペースメーカでむしろ頻拍?」「ペースメーカ症候群って?」
・「ICDの不適切作動って?」「リード線のトラブルを防ぐには?」
など、植込み(一時挿入)後に重要なペースメーカ不全を心電図から早期発見し、対処する方法を、演習しながら解説します。
■ペースメーカの付加機能
・「モードスイッチって?」
・「MVPモードやSafe-Rモードって何?」
・「レートレスポンスとかヒステレシスって何?」
・「上限心拍数を超えるとどうなる?」
などペースメーカの付加機能について解説します。
■電磁干渉と外来フォロー
・「電磁干渉っていったい何が起こっているの?」
・「電気メスを使う時に変更したVOOやDOOってどんなモード?」
・「携帯電話やMRI撮影はどうするの?」
・「電池交換のタイミングはどうやってわかるの?」
などフォローすべき内容を解説します。

【5、植込み患者の観察 植込み患者の看護ケアと指導】
■植込み患者のケアの必要性
・「植込み患者をとりまく、身体的、精神的、社会的な影響は?」
・「退院指導はどんな話をするの?」
・「デバイス感染の観察ポイントは?デバイス感染は放っておくとどうなる?」
・「デバイス手帳ってなに?」
・「身体障害者申請は?身体障害者なん級?」「医療費はどうなるの?」
・「自動車運転は可能なの?」
・「メンタルサポートって必要なの?」
・「デバイス患者のACP(アドバンスケアプランニング)はどんなことに配慮する?」
・「植込み型心臓不整脈デバイス認定士制度とは?」
など、看護師が関わるべきケアや指導について解説します。
■遠隔モニタリングを用いた患者ケア
・「遠隔モニタリングシステムとは?」
・「遠隔モニタリングのデータはどうやって送られる?」
・「遠隔モニタリングで送信されるデータはどんなもの?」
・「遠隔モニタリングシステムを用いた患者ケアとは?」
など遠隔モニタリングシステムを用いたチーム医療における看護師の役割について解説します。