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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:アルコール

今やいたる所で目にする「アルコール」の表示。
病院内では、患者さんに手指のアルコール消毒をお願いしたり、医療行為の前に消毒として使ったりなど、使用頻度の高い言葉ですよね。
「アルコール」は英語由来だから外国人患者さんにそのまま言っても通じる、とみなさんは思っていませんか?

「アルコール」は、英語で「Alcohol」です。
最初の「ア」にアクセントを置いて「アルコホール(ˈælkəh`ɔːl)」が英語に近い発音です。
聞き慣れませんが「ホ」を入れないと通じませんよ。
スペルを見てみると、alcoとolの間には“h”が入っていますよね。この“h”をちゃんと発音しないと通じないんです。

とくに看護師さんは、採血前や点滴の交換時などにアルコールを使う場面が多いですよね。
前回紹介した「Allergy」の正しい発音「アラジー」とセットで覚えておくといいでしょう。
おすすめフレーズは「Are you allergic to alcohol? (アルコールのアレルギーはありますか)」です。

また、アルコールは消毒以外に「お酒」という意味もあります。
「お酒の量を減らしましょう」「禁酒しましょう」といった退院後の生活指導にもよく使うので正しい発音を知っておきましょう。
ちなみに、アメリカでは「Social History」にお酒の嗜好歴が書かれています。
たまに「No ETOH」と書かれており、エタノール(ethanol alcohol)の略語「ETOH」を使って表現されることがあります。

Limit your alcohol intake.
(お酒の量を減らしましょう)

*「limit」は「reduce」や「cut down on」などに置き換えてもいいでしょう





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


バスケットボールの神様マイケルジョーダンの有名な言葉です。
気がつくと周りは結婚ラッシュ、同期は管理職へ昇進など明るい話題が、自分で決めた海外留学に暗い影を落とす。そんなとき、友人が送ってくれた言葉です。

試験や面接を受けるとき、泣きながら働いたとき、仕事も家も突然なくなったとき、いつもこの言葉に励まされました。大津秀一先生の著書『死ぬときに後悔すること25』のなかにも、自分のやりたいことをやらなかったことや夢をかなえるために全力を尽くさなかったことが後悔することに挙がっていました。失敗しても挑戦することが後悔のない人生につながるんですね。失敗を恐れて一歩踏み出せないあなたへ
「Don’t be afraid to fail. Be afraid not to try」

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。