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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ウイルス

2020年以降、新型コロナウイルス関連のニュースが連日報道され、うんざりするほど「ウイルス」という言葉を耳にされたのではないでしょうか?
医療現場でも「ウイルス」を口にする機会は多くなりましたが、まさか日本でしか通じない言葉だとは思いませんよね。
「ウイルス」は、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「ウイルス」という読み方は、英語ではなくドイツ語由来です。
「ウイルス」は、英語で「Virus」です。
最初の発音は「ウ」ではなく、日本語にはない[vi]の音「ヴァ」と発音して「ヴァイラス(ˈvīrəs)」が英語に近い発音です。

日本のメディアは「新型コロナウイルス」と報道しますが、アメリカなどのTVや医学系ジャーナルでは「COVID-19(コヴィッド-ナインティーン)」という表現が一般的です。
ちなみに、「COVID」の「D」はほとんど聞き取れないので「コヴィ-ナインティーン」と聞こえます。
「COVID-19」は「Coronavirus Disease 2019」の略語で、WHOが2020年2月に命名しました。
外国人患者さんは「New Coronavirus(新型コロナウイルス)」よりも「COVID-19」のほうが聞き慣れています。私たちも「COVID-19」に慣れておいたほうがいいですね。

All patients are required to have coronavirus testing before admission or outpatient surgery.

(入院や日帰り手術を受けるすべての患者さんは事前にコロナウイルスの検査が必要です)

※「coronavirus」は「COVID-19」に、「before」は「prior to」に置き換えてもいいでしょう

If you have any suspected symptoms of new coronavirus, you should call consultation centers which are set up in each prefecture.

(新型コロナウイルスを疑う症状がありましたら、各都道府県に設置されている相談センターにご連絡ください)

※この情報は厚生労働省の「Q & A on Coronavirus Disease 2019」を参考にしています。もし困っている外国人患者さんから連絡がきたら、このページや相談センターの電話番号を伝えられると親切に対応できそうですね。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


歌の歌詞などにもなっている定番のフレーズです。
たとえ挫折や失敗であっても人生に無駄なできごとなどはなくすべては起こるべくして起こっている、という格言です。
私がアメリカで仕事を解雇されたときに、友人がかけてくれた言葉です。
だいぶ後になってから“あのときに仕事を失ってよかったんだ”と思えたのですが、その当時はこの格言が信じられず、ただただ動揺して人生に絶望した日々を送っていました。
困難なできごとに直面したとき、すべてのことに意味があると前向きにとらえられたら、私のように絶望感に打ちのめされることはないでしょう。
なんだかうまくいかない、どうして自分だけこんな目に遭うのだろうと悩んでいるあなたへ
「Things happen for a reason」

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。