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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ラジ/ラジエーション

「ラジ目的の入院」「ラジ呼ばれたよ」
看護師さんなら「ラジ=放射線療法」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
医師や看護師の記録にも「ラジ」や「ラジエーション」、「RT」などが使われます。
「ラジエーション」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「ラジエーション」は、英語で「Radiation」です。
英語の発音は、最初の発音が「ラ」ではなく「レ」と発音して「レディエーション(rèɪdiéɪʃən)」が英語に近い発音です。

日本では「ラジエーション」を「放射線療法」として使っていますが、「Radiation」は本来「放射線」という意味です。
「放射線療法」は英語で「Radiation Therapy」です。
放射線療法を「RT」と略すのは、この頭文字を使っているからです。
切らずに治す最先端がん治療として放射線療法(RT)は以前から注目されています。
とくに粒子線治療施設は今、世界的な建設ラッシュを迎えています。
重粒子線治療においては、日本が世界をリードすると言われる一方、世界でもっとも放射線療法が行われない国、というデータもあります。
事実、がん患者さんが放射線療法を受けている割合は、アメリカで66%、ドイツで60%、イギリスで56%なのに対し、日本では25%程度にとどまります※1。
「がんは切って治す」という意識が医療従事者や患者間で根強いこと、「放射線」と聞いて「怖い」「被ばく」というイメージが先行してしまうこと、専門医が圧倒的に足りないなどが関連しているようです。
この世界との差を埋めるべく、放射線療法の推進が国の課題となっています。
今後、放射線治療は大きな発展を遂げる分野となるでしょう。
2010年から認定看護師制度のがん放射線療法看護分野がはじまっています。
放射線療法に興味がある方、今後大きく発展する可能性のある分野で仕事がしたい方はぜひ、放射線療法看護の扉をたたいてみてはいかがでしょうか。

※1 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/dl/s0615-1b.pdf

Radiation therapy is generally given five days a week for six to eight weeks.

(放射線療法は通常週5日6~8週にわたって治療します)





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


アメリカの薬物中毒患者救済機関の設立者チャールズ・ディードリッヒの言葉です。
言葉の意味は当たり前かもしれませんが、余命宣告などされない限り、真剣にあと何日くらい生きられるかなんて考えないですよね。
でも、人生は有限です。
「もう歳だから…」「若くないから…」とやり残しの多い人生は、かならず後悔するそうです。
けっして、精一杯努力したことが結果につながるとは限りません。
それでも、年齢を言い訳にして何も手を付けないよりは、すこしずつでも前進したほうがマシだと、この言葉に触れると思うのです。
ダラダラして何もしなかった昨日の続きが今日ではない、自分に残された未来の初日が今日なのだと思えたら、いつもより今日の重みを感じませんか?

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。