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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:テーベー

「テーベー疑いだって」「テーベーの検査出して」
看護師さんなら「テーベー」=「結核」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「結核」とは、結核菌による感染症です。みなさんもご存じのとおり、かつては不治の病として恐れられ1950年以前は年間10万人以上の尊い命が奪われてきました。その後、有効な治療薬が開発され、現在は完全に治る病気となりました。
「テーベー」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「テーベー」は、ドイツ語で「結核」を意味する「Tuberkulose(トゥベルクローゼ)」の略語「TB」のドイツ語読みです。
「テーベー」は、英語で「Tuberculosis」です。
最初の発音は「テ」ではなく「チュ」と発音して「チュバキュロースィス(tubə̀ːrkjəlóusəs)」が英語に近い発音です。
英語圏でも「Tuberculosis」の略語は「TB」ですが、「テーベー」ではなく「ティー・ビー」です。

「テーベー」と聞いて「ガフキー」を連想する方は、いらっしゃるでしょうか?
「ガフキー」とは、「抗酸菌塗抹検査」の結核菌量を表すひと昔前の指標です。
0~10の数字が用いられ、数字が大きいほど感染力が高くなります。
しかし、10段階で細かく結核菌量を示したところで、治療方針は変わらず意味がないという理由から、現在は(-)~3+の簡易記載法が使われています。

「テーベー」といえば「ガフキー」だったのに……。
「ガフキーも死語になってしまったんだ」と、すこし切ないのは私だけでしょうか。

• Have you ever had a positive Tuberculosis skin test?
(今までツ反で陽性だったことはありますか)

※Tuberculosis skin testとは、皮内注射で反応を見るツベルクリン反応(ツ反)を指します。英語では「Mantoux test」や「PPD test」が使われています。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


「世界一のメンター」と称されるアメリカの自己啓発作家・牧師の「John Maxwell(ジョン・マックスウェル)」の言葉です。

似たような言葉に「Pain is inevitable. Suffering is optional」という言葉があります。
「痛みは避けられないが、苦しむかどうかは自分次第だ」という意味です。

シンプルな英語ですが、どちらも直面している事実は変えられない。でも、それをどう解釈してとらえるか・選択するかは自分次第という深い意味が含まれています。

この言葉に出会ったとき、私はアメリカで就活に苦しんでいました。
リーマンショックの影響で、アメリカの失業率が戦後最悪の水準まで落ち込み、就活時期としてはこれ以上ないほど厳しい状況でした。しかも、不景気で看護師の離職率が激減、新人看護師が就職難民になるほど、医療業界にも就職難の波が押し寄せていました。

“まともに英語を話せるアメリカ人でさえ就職先が見つからないのに、まともに英語も話せない外国人に仕事のチャンスがあるのか……”と悩む日々。
前途多難で気持ちが落ち込んでいたとき、今日の言葉に出会って「なるほど……」と気持ちを切り替えることができました。“この状況はだれにも変えられない。だったら、できることをやるしかない!”と前向きになれました。

それから間もなくして、近所に政府支援の就職支援センターができ、すぐに登録に行きました。
このセンターでは、政府が雇用を全面的にバックアップし、さまざまな雇用に関するプロジェクトを無料で提供していました。履歴書の書き方、面接の受け方、Word/Excel/PowerPointの研修、アメリカ経済や雇用に関する講習など、私はそこで半年間ほぼ毎日無料で勉強することができました。今思えば、経済と語学の勉強を好きなだけ無料で受けられる夢のような環境だったと懐かしく思います。
就職できない焦りもありましたが、そこで出会うユーモアあふれる講師や仕事を探す仲間たちがいたおかげで、あまり苦しさは感じませんでした。
それから半年が経ち、就職難のなか私は無事、看護師として仕事を見つけることができました。
「就職難だから……」と自分ではどうにもならない現実に悲観し続けていたら、半年後に訪れるチャンスに巡り合うことはなかったでしょう。

現実は厳しい。でも、それを受け入れて成長できるかどうかは自分次第です。
直面する現実に苦しんでいる方がいたら、この言葉が届けたいと切に願います。

「Change is inevitable. Growth is optional」をちょっと信じて前に進んでみませんか?

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。