看護力検定チャレンジテスト|#111

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事例

Aさん(80 歳代、男性)は、独り暮らしです。雪の日に集合住宅の階段から転落し倒れているところを住民に発見されて緊急搬送されました。病院到着後に精密検査を行ったところ左頬骨骨折(Zygomatic fracture)と診断されました。既往には高血圧があり内服治療を行っています。

問題

Aさんは術後1日目からトイレ歩行の許可が出ました。初回離床時のバイタルサインは体温37.0℃、脈拍数70回/分、血圧135/62mmHgでした。歩行する際に「ガーゼが顔に当たっているから前がよく見えないね。1日寝ていたから腰が痛くて背筋が伸びないな」と話し、前傾姿勢で歩いていました。Aさんの移動方法として最もふさわしいものはどれですか。
<正解83%>

(1)車椅子

(2)付き添い歩行

(3)自立歩行



… 正解は …











(2)

解説

(1)⇒退院後の生活を見据えた移動方法の検討が必要です。Aさんは歩行可能ですが足元が見えにくいので、ベッド周囲の環境調整や履物の選択を行い、転倒を予防しながら歩行することを計画します。
(2)⇒安静度や移動方法を考える際は、どのような因子が転倒・転落の危険因子になるかを検討します。Aさんは手術創にガーゼが当たっていることで視界が狭くなっています。また、腰痛で前傾姿
勢をとっていることも転倒の危険が高くなる要因です。歩行介助の際は、手すりを使って歩くことを説明し、看護師は斜め後ろに立ち、いつでも支えられる体制をとります。また、姿勢や歩幅・膝の上がり具合、歩行の速度などに注意しながら見守ることが必要です。
(3)⇒自立歩行は、歩行動作が安定しており、介助・見守りを必要としない状態です。付き添い歩行時の状況で、自立歩行への拡大を検討していきます。

手術後の安静度の拡大や移動方法は、手術の種類や創部の状況、術後安静の期間、年齢、術前のADLなどを考慮し、どのような転倒・転落の危険が生じやすいのかをアセスメントして計画します。また退院後の生活を考えながらADLを低下させないようリハビリテーションを行っていくことも大切です。

※2021年7月9日掲載分の再掲載です。