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西神戸医療センター 救急看護認定看護師
配信|ST上昇型心筋梗塞
かんペキかんテキチャンネル循環器編の第1回は、循環器の花形であるST上昇型心筋梗塞です。みなさんが最初に勉強するには入りやすい疾患ですね。書籍『かんテキ循環器』の94ページからスタートします。
ずばりST上昇型心筋梗塞はひとことで言うと、冠動脈が完全に閉塞し、心筋が全層性に壊死してしまう病気です。というと、わかるような、わからないような、難しい感じがしますが、そもそも冠動脈が何で閉塞するのかというと、冠動脈にできる血栓であったりプラークによって閉塞するんですね。
ではプラークって何だ? ということなんですが、プラークとは、冠動脈自身が動脈硬化によって内皮細胞に何らかの障害が起こることから始まって形成されていきます。プラークはアテローム(宿主)が隆起したものです。アテロームが冠動脈の中で隆起していくので、冠動脈の血流が悪くなっていきます。そしてこのプラークがパッと破裂してしまうと、赤血球の働きによって血栓が出来上がってしまいます。この血栓によって冠動脈が完全に閉塞してしまうわけです。
全層性という言葉は、要は心筋のダメージが大きいということです。スライドのように冠動脈が心筋に影響していますが、壊死が軽いうちは手前のほうだけ虚血がある状態です。しかし、全層性というのは心筋のダメージが大きいということですので、どんどん深いところまでの心筋が壊死してしまう状態です。
心筋梗塞を学ぶ際には、『かんテキ循環器』86ページにスライドのような冠動脈の走行を掲載していますが、これを知っておくとさらに知識が深まります。
続いてベッドサイドに行く前に確認しておくことをご紹介します。
1つ目は、冠動脈のどこがダメージを受けているのかです。医師の記録や心臓カテーテル検査のレポートなどから、どこの治療が行われたかは知っておくといいでしょう。先ほどのスライドの冠動脈の走行図を見ればどこにダメージがあるか確認できます。
たとえば次のスライドの走行図の患者さんは#2を治療しているので、離床時には心不全の兆候に注意していきますということを先輩との調整のときに言えると、先輩も「よく勉強しているね」となりますね。
そしてこれも『かんテキ循環器』の86ページに掲載していますが、狭窄度の評価も見ていくといいでしょう。この患者さんは#2を治療していて、さらに#4に90%の狭窄が残っているので、「胸痛がまた起こらないか注意していきます」と言えるとさらにグッドです。
そして、いま心不全という言葉が出てきましたが、心筋梗塞により心筋がダメージを受けているので心不全を合併する可能性がとても高いと言えます。活動量が増えたときには特に注意が必要です。そのためにエコーの所見を確認しておくことは重要です。心臓カテーテル検査後は胸水ができていないかを胸部X線で注意しておきましょう。
また、治療後の内服にも注意してください。心臓カテーテル治療後にDAPT(ダプト)が処方されていると思います。医師はダプトと略しますが、これは抗血小板薬の2剤の併用療法で、ステント内血栓を防ぐ目的で投与されていきます。
ステントはメッシュ状の筒なので、血小板がどんどん引っかかっていって凝集反応を起こしやすいです。ステントの表面は時間の経過とともに血管内皮にどんどん覆われていきます。それまでは筋肉むき出しの状態で血小板が付着しやすく、血の塊ができやすくなる状態ですので、抗血小板薬を2剤内服してステント内血栓を予防していくことが重要です。
そのため、この薬がどれだけ重要であるかということは、患者さんにも説明できるようにしておくとよいでしょう。ベッドサイドに行く前には、カルテからこれらのことをチェックしておくようにしましょう。
整理すると要点は以下の3つです。
・どこを治療したのか
・心不全の兆候はないか
・DAPTは内服しているのか
ここからは、ベッドサイドに行く前に知っておきたい「ヤバサイン」を確認していきたいと思いますが、続きはログインしてぜひ動画で視聴してください。またFitNs.にログインまたは登録(無料)することで以下のラインナップも視聴いただくことができます。
『かんペキ!かんテキチャンネル|循環器編』の動画ラインナップ
【 】内は視聴時間
それぞれの動画は「➡」から視聴できます
●#1 ST上昇型心筋梗塞【13:25】➡
●#2 不安定狭心症(UAP)【8:53】➡
●#3 僧帽弁狭窄症【6:31】➡
●#4 僧帽弁閉鎖不全症(MR)【9:43】➡
●#5 大動脈弁狭窄症(AS)【8:25】➡
●#6 大動脈弁閉鎖不全症(AR)【7:22】➡
●#7 感染性心内膜炎(IE)【11:03】➡
●#8 房室ブロック(AVブロック)【10:41】➡
●#9 急性心膜炎【5:47】➡
●#10 心タンポナーデ【7:41】➡
●#11 大動脈解離【9:20】➡
●#12 肺血栓塞栓【10:12】➡
●#13 深部静脈血栓症【7:46】➡
●#14 心房細動(AF)【12:09】➡
●#15 急性動脈閉塞症【8:53】➡
●#16 心不全【18:04】➡