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地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 医療安全管理部
配信|周術期看護(前編)
こんにちは、大阪市立総合医療センターの久保健太郎です。書籍『かんテキ消化器』の執筆を担当させていただきました。今回から『かんテキ消化器』の内容を動画で解説していきます。第1回は「周術期看護」の前編です。『かんテキ消化器』をお持ちの方は42~46ページをあわせてご覧ください。
では始めていきましょう。
周術期看護というのは、オペ前・オペ中・オペ後に行う看護のことをいいます。
私は看護師になって16年目になるのですが、昨年まで消化器外科病棟で働いていました。そして1年目のときも消化器外科病棟で働いていたのですが、そのときに行っていた周術期看護といまの周術期看護はけっこう違います。
例えば、昔は手術の3~4日前に入院して絶食・点滴をしていました。そしてオペ室への出棟前にはプレメディといって抗不安薬とか誤嚥を予防するような薬の筋肉注射をしていました。それをすると患者さんはふらふらになってしまうので全例ベッド搬送でした。オペ後には創部とドレーン周囲を毎日消毒して回って、術後のイレウス予防にはお腹を温めたりして、術後1週間くらいは絶食をして、退院は術後2~3週間後という感じでした。
それに対して今は、手術の前日に入院して、手術当日から絶食。プレメディはありませんし、オペ室までは歩いて出棟します。オペ後は創部もドレーンも消毒しませんし、イレウス予防には酸化マグネシウムとか大建中湯を飲んでもらいます。そして術後1日目から食事を開始して、退院はだいたい術後1週間後になっています。
なんでこんなに変わったのかですが、みなさんERAS(イーラス)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これはEnhanced Recovery After Surgeryの頭文字を取ったもので、日本語では術後回復力強化と訳します。
これはいったい何なのかいうと、エビデンスに戻づいた周術期管理法を集約してプログラム化したものです。具体的に何をするかを説明したほうがわかりやすいと思うのですが、例えばオペ前には腸管処置はしない、オペ前の絶飲食をしない、麻酔前投薬をしない、オペ中は短時間作用型麻酔薬を使用する、輸液の過剰投与を避ける、ドレーンを留置しないとか、あとオペ後でいうと早期離床、悪心・嘔吐の予防、バルーンの早期抜去、早期経口摂取とか、このようなことを組み合わせて行うことで術後合併症の減少とか、入院期間の短縮、コスト削減といったことにつながるといわれています。
つまり、昔は経験に基づいた周術期管理が行われていたのですが、最近ではエビデンスに基づいた管理方法に変わってきているということですね。
ということで、今回は周術期、つまりオペ前、オペ中、オペ後のなかで、なぜそういうことをするのかとか、どういったエビデンスがあるのかとか、そういったお話をしていきたいと思います。
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『かんペキ!かんテキチャンネル|消化器編』の動画ラインナップ
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それぞれの動画は「➡」から視聴できます
●#1 周術期看護(前編)【13:43】➡
●#2 周術期看護(後編)【12:46】➡
●#3 術後疼痛管理【13:39】➡
●#4 ドレーン管理【13:31】➡
●#5 ストーマケア【16:05】➡
●#6 輸液・栄養管理【19:46】➡
●#7 経腸栄養管理【20:55】➡
●#8 内視鏡検査・治療の看護【19:57】➡
●#9 腹痛【16:12】➡
●#10 悪心・嘔吐【14:30】➡
●#11 吐血・下血【16:36】➡
●#12 胃がんの周術期看護【21:27】➡
●#13 大腸がんの周術期看護【21:38】➡
●#14 食道がんの周術期看護【22:46】➡
●#15 イレウス・腸閉塞【21:25】➡
●#16 胆管炎・胆嚢炎【18:51】➡