第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

※上部のサムネイルをクリックして視聴できます。
※視聴にはメディカIDが必要です。メディカIDをお持ちの方はログインしてそのままご視聴ください。




後藤順一
河北総合病院 急性・重症患者看護専門看護師

<セミナーはこんな内容>
■現場で必要な判読力と、行動につながるポイントを!着実にコツをつかんでもらうための約90分
■新人だって、ベテランだって「結局、一生学ぶもの」。
■永遠のテーマ“モニター心電図”について、まずは絶対必須な一歩から、一緒に踏みだそう!
■循環器患者さんを受け持つなら、新人さんでもわからなくちゃいけない(先輩ナースも教えられないとマズい)
■「その波形のヤバい? or ヤバくない?」の判別を確実におさえましょう。
■判読に必要なキホン知識や、なぜ危ないのか?の考え方を、じっくり・わかりやすく説明します。


配信|CHAPTER 3:心電図の波形の意味を理解する


では「心電図の波形の意味を理解する」に入っていきたいと思います。

スライドに表示したのは正常な心電図から1つの波形を引き出してきたものです。この一つひとつにP、Q、R、S、Tと名称が付けられています。

P、Q、R、S、Tはなぜ「P」からスタートしているのか、なぜ「A」からスタートしちゃダメなのと思われることもあるのですが、これは、心臓には電気が流れていることを発見したのは日本人で、その当時、「P」の先にもしかしたらまだ電気があるかもしれないと考えて、わからなかったんですね。そのため「A」にしてしまうと、それよりも前があったときに名称が付けられなくなるので、ひとまずちょうど中間くらいの「P」からにしたそうです。

というのは余談でしたが、まず最初の「P」は「心房の興奮」を表します。

次に「QRS」は「心室の興奮」を表します。

そして最後の「T」は、心室が興奮した後に、その「心室の興奮が冷めていく過程」を示しています。

ということで、心臓の動きというのはこのP、Q、R、S、Tという形で表されるわけです。

もう怖くない!モニター心電図の見かた・考えかた01


続いてリズムですが、リズムのことを「調律」ともいいます。ピアノとかでも「調律を合わせる」といいますよね。要するにリズムを合わせるということです。

心拍数は、心電図のマスとコマで計算ができるのですが、ここで記載した数値の300から50くらいまでは暗記しておいていいと思います。300、150、100、75、60、50、そして50以下は徐脈だよ、という感じで呪文のように唱えてください。

もう怖くない!モニター心電図の見かた・考えかた02


また、P、Q、R、S、Tには「高さ」「幅」があります。「幅」というのは「時間」ですが、それぞれに正常値というものがあります。

スライドにP、Q、R、S、Tの正常値を掲載しましたが、これは暗記するのはあまりにも大変ですし、難しいです。私もすべてを暗記することはできていません。

ですので簡単な方法を教えます。スライドの私の似顔絵が出てきましたが、その吹き出しの中だけ覚えておいてください。マスというのは大きな正方形、コマというのは小さいほうの正方形ですね。

<正常値>
P高:半マス
PQ間:1マス
QRS幅:半マス
QT間:2マス
T高:2マス


これよりも大きくなったら異常ですよということですね。波形図にもコマ・マスを載せてみましたので確認してみてください。

スライド右上にある表の数値を覚えるのは一苦労かもしれませんが、このマス・コマで正常値を覚えるくらいならなんとかいけそうだと思うのですが、どうでしょうか?

慣れてきたら心電図を見ただけで「これはちょっとP波が高いんじゃない?」とか「QT間が長くなっているんじゃない?」となんとなく感じて、では実際に測ってみようというように徐々になっていけますので、まずは吹き出しの赤字部分だけでも覚えてもらえば、後輩や新人さんに教えてるときにも説明しやすくなると思います。

もう怖くない!モニター心電図の見かた・考えかた03


はい、では続いて「心電図からわかる不整脈と対応を学ぶ」というところに入っていきたいと思いますが、スライドの3つについてお話していきます。

もう怖くない!モニター心電図の見かた・考えかた04


そして、スライドに記載した心電図異常がこれから流れますが、これらは今回のテキストになっている『ハートナーシング2023年5号』にも記載されていて、それぞれ該当ページも表示しますので、一緒に見ていただくか、このセミナーを視聴した後ででも確認してみてください。

では続きはオンラインセミナーでぜひご覧ください。

もう怖くない!モニター心電図の見かた・考えかた05



プログラム


1.編集室より開催のご挨拶と先生のご紹介
2.後藤先生によるスライド講義
 ⅰ.心電図の原理を理解する
 ⅱ.心電図の波形の意味を理解する
 ⅲ.心電図からわかる不整脈とその対応
    -心電図の異常を発見するためのポイント
    -心室性期外収縮
    -右脚・左脚ブロック
    -上室性期外収縮
    -心房細動
    -心房粗動
    -心室頻拍
    -TdP   …ほか

本誌特集と連動


HEART nursing(ハートナーシング)2023年5月号
HEART nursing(ハートナーシング)2023年5月号

これ異常? キケン? →後輩にちゃんと説明できる!
ひとり立ちまで導く
心電図モニタリングレクチャー


■特集1 基礎編 心臓と心電図のつながりを知ろう!
・心臓の仕組みと心電図ってどんな関係があるの?
・心電図モニターの仕組みと電極の付け方について教えて!
・心電図のマス目と基本波形の意味を教えて!
・心電図モニターはどのような患者さんで適応になるの?
・徐脈? 頻脈? 不整脈にはどんな種類があるの?
■特集2 波形編 ヤバい波形・グレーな波形を知ろう!
01.洞不全症候群(SSS)
02.房室解離(AVD)
03.2度房室ブロック
04.心室頻拍(VT)
05.心室細動(Vf)
06.心房細動(Af)
07.心房粗動(AFL)
08.洞頻脈(ST)
09.発作性上室頻拍(PSVT)
10.頻発する上室期外収縮(SVPC)
11.頻発する心室期外収縮(PVC)
■特集3 事例編 心房細動の事例で学ぶ心電図モニタリングの思考と対応
■特集4 事例編 洞頻脈の事例で学ぶ心電図モニタリングの思考と対応
■特集5 発展編 ペースメーカ患者さんの波形

・ペースメーカ患者さんの波形の特徴
・ペーシング不全
・センシング不全

▼詳しくはこちらから