第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師
熊澤ひとみ
医療法人偕行会透析医療事業部副事業部長/透析看護認定看護師

<セミナーはこんな内容>
・穿刺を含む一連の透析手技がすべて動画で見られます!!
・初心者にもやさしい講義+実演動画が合体しているので、理解度が高まります!!
・透析患者さんの協力のもと、実際の透析の様子を撮影!! リアルな透析手技から学べます!!
・手技のOK&NG動画と解説もついているので、手技の確認に役立ちます!!


配信|CHAPTER 6:透析の開始


こんにちは、偕行会透析医療事業部の熊澤ひとみです。このチャプターでは、透析回路の接続から透析器械の運転操作について解説をします。実際の開始操作について、まずは正しい動画を観ていただき、その後は注意点について解説を行います。ではさっそく動画をご覧ください。

※下記にセミナー内で流れる動画の場面を表示していますが、スタッフ同士や患者さんへの声かけのしかたなど、ぜひログインして動画でご覧ください。

▼動画の内容
実演して解説!看護師の透析手技_動画:回路の接続

実演して解説!看護師の透析手技_動画:テープ固定

実演して解説!看護師の透析手技_動画:開始後の確認


血液回路を接続する際、器械側のスタッフは渡す回路が動脈側なのか静脈側なのか、声を出し合いながら穿刺者に回路を渡します。穿刺者は動静脈の確認を行い、回路と針を接続します。

穿刺針に対して血液回路先端部を強く押さえ込むように接続し、加えてルアーロックを増し締めします。血液回路に空気が入らないように穿刺針内を血液で満たして接続します。

実演して解説!看護師の透析手技01


逆接続防止のため穿刺者と器械操作者はお互いに「動脈です」と声を出し合いながら確認作業を行います。

誤った接続は再循環が起こり透析効率を低下させます。血液回路の接続不良は、血液ポンプよりも上流の動脈側で発生した場合は陰圧となっているために気泡が混入します。また、血液ポンプよりも下流は陽圧になっているので失血の原因となります。

実演して解説!看護師の透析手技02


穿刺針と血液回路が固定されたらゆっくり血液ポンプを回し体外循環を開始します。

体外循環を開始したら外筒が適切に血管内に留置されていることを確認します。

シャントや針先の痛みがないか患者さんに声をかけていき、同時に穿刺針周辺の状態を確認します。

また、正しく針と回路が接続されているかを確認していきます。

実演して解説!看護師の透析手技03


穿刺時に逆血があっても、外筒が適切に血管内に留置できていない場合があります。返血側については穿刺針の刺入部周囲の腫脹により発見することがありますので、針先の痛みや静脈圧を必ず確認します。

実演して解説!看護師の透析手技04


穿刺針は太テープで横一文字に加え、細テープでα固定を行います。テープはΩ固定を徹底し、血液回路の長さに余裕があればループ状に固定しゆとりを持たせます。

手関節や肘関節周辺の固定は、曲げ伸ばしにより針が抜けることがありますので影響がないところに固定します。

実演して解説!看護師の透析手技05


透析中の抜針は、事象によっては出血性ショックを誘発する危険性がありますので、抜針による失血事故を予防する対策が必要です。

抜針事故はテープの剥がれや牽引でリスクが高くなります。皮膚に合ったテープを選択し、針が抜けないように固定方法を工夫します。

一度剥がしたテープは粘着力が低下しますので再利用は避けましょう。また皮膚に軟膏や水分が残っているとテープの粘着力が低下しますのでよくふき取り、固定を行います。

最後に血液回路を患者さんの手の平に通して、血液回路が牽引されたときにすぐ握れるようにします。

実演して解説!看護師の透析手技06


患者の状態を確認し、総除水量、時間あたり除水量、血流量、透析液温、抗凝固薬の確認をします。また警告灯が緑色に点灯していることも確認して、患者さんの状態に変化がないか観察して、患者さんに声をかけてベッドサイドから離れます。

透析開始後は循環動態の変化により患者さんに変化が起こる可能性があります。透析開始後の患者さんの状態を必ず確認して、条件や終了時間を伝えてからその場を離れましょう。

実演して解説!看護師の透析手技07



ログインして動画でご覧いただくと、セミナー内で使用されている動画を観ることができ、その後の講師の解説も理解しやすくなります。また、ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。







プログラム

※すべてのパートに一連の実演動画あり!

1.プライミング
プライミングはどうしてするのか?何を使うのか?どのようにするのか?について学びましょう!
・プライミングの目的
・開始前の準備
・セッティング
・プライミング
・プライミング終了後

2.入室時の観察
患者が入室してきたら患者は「手洗い」→「体重測定」→「血圧測定」をします。体重増加率はきちんと確認できていますか? いっしょに学びましょう!
・入室時の観察声掛け
・手洗い
・体重測定
・体重測定:体重測定後の確認
・血圧測定

3.指示内容の確認
透析に使用する物品・透析条件、除水量の設定、内服薬の確認など、ここでは確認することが多いですね。一緒にチェックしていきましょう!
・物品と透析条件の確認
・患者の状態確認
・除水量の設定
・内服の確認・服薬

4.穿刺前の観察
「観察」って何をするのでしょうか? 具体的にどうすればよいのか、しっかり見ていきましょう!
・穿刺前の観察
・みる
・聴く
・触る

5.穿刺
イチバンの山場です!事前準備がものをいいますよ。物品・知識・気持ち、すべてバッチリ準備していきましょう!
・穿刺までの準備(物品)
・穿刺までの準備(姿勢)
・穿刺部位の選択
・駆血
・消毒
・穿刺
・テープ固定

6.透析の開始
穿刺お疲れさまでした。でもまだ安心できません。患者さんが安全・安楽な透析を受けられるよう、気を抜かずに透析操作を行いましょうね。
・回路の接続
・器械の運転
・回路の固定
・開始直後の観察

7.透析中の観察
「あとは返血まで暇だな…」なんていう訳はないのですよね。忙しいなかでも患者さんの様子やシャント、透析装置に意識を配りましょうね。
・透析中の看護(コミュニケーション)
・指導・処置
・ラウンド
・時間チェック
・透析中の血圧低下がみられたら……
・シャントの観察

8.透析中の観察(警報編)
大きな音でドキッとしますよね。すぐに解除するだけではいけないのですよ。何に異常があるのか、落ち着いて見ていきましょうね。
・器械点検
・除水速度・抗凝固薬
・血流量の確認
・静脈圧の確認
・透析液圧・TMPの確認
・警報対応

9.薬剤投与
うっかり忘れてはいけない薬剤投与です。タイミングやルートを間違えないようにしましょうね。
・内服薬
・薬剤の準備
・薬剤の投与

10.返血操作
さあもう一息、返血です!患者さんの血圧、様子は大丈夫ですか? 観察を忘れず返血作業に取り掛かりましょう!
・採血/投与薬剤の確認
・血圧測定

11.抜針・止血
止血のためにはテープを剥がし、消毒し、抜針しないといけませんね。止血位置も大切ですよ。さあ学びましょう!
・固定テープを剥がす
・消毒
・抜針・圧迫止血
・シャント音の確認

12.透析後の離床
血圧は大丈夫でしょうか? 患者さんは早く帰りたがるかもしれませんが、必要な確認を漏れなくしましょう!
・血圧測定
・体重測定(除水量達成可否の確認)