第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

※上部のサムネイルをクリックして視聴できます。
※視聴にはメディカIDが必要です。メディカIDをお持ちの方はログインしてそのままご視聴ください。




講師
酒井 博崇
藤田医科大学保健衛生学部看護学科 准教授 / 診療看護師(NP) 医学博士

松田 奈々
藤田医科大学病院 FNP室 診療看護師 / 藤田医科大学 看護学科 総合生命科学分野 講師

<おすすめポイント>
・学校で習ってきたけど現場で活かせていない…そんな検査値の活用法が身につきます。
・検査値を変動させる可能性のある要因が分かり、異常かどうかのアセスメントに結び付けられます。
・採血手技の様々な注意点が、結果にどう影響するか分かります。
・採血結果の見かたとアセスメントを5stepで分かりやすく解説。すぐに実践できます。
・緊急性の高い高K血症のアセスメントと実際の行動が流れに沿って理解できます。


配信|CHAPTER 5 実践編 採血結果のみかた


藤田医科大学病院の診療看護師の松田です。ふだんは救急科で働きながら週2回、看護学科で教員もしています。よろしくお願いします。

さて、このチャプターの目次はこちらです。

①採血結果のみかた
②「これはやばい!」採血結果
③低血糖・高K血症から導く5Step!
~若手ナースが知っておくべき危険なサインと求められる行動レベル~
④まとめ

検査値のレッドフラッグ01


ではまず採血結果のみかたからお話ししていこうと思います。

みなさんは採血結果をどのようにみているでしょうか? 病棟や外来でみていると思うのですが、ちょっと思い出してみてください。

採血結果をみようとすると、ベースに患者さんの状態を把握することが大前提としてあります

ここで病名と既往歴、入院経過、治療の大きく4つに分けてみました。

検査値のレッドフラッグ02


患者さんの状態を把握してはじめて採血結果をみるという行為に発展します。

「みる」と一概に言っても、「View」なら眺めることですね。「Watch」はじっと見る、「Look」は意識的に見る、そして「See」は見える、というように次のスライドに英語にして4つ示しました。

例えば「View」だったら、採血結果を手元に置いてなにげなしに眺めるだけ。

「Watch」は、見たくてじーっと見ているんだけれどもアセスメントまではたどり着いていない。

「Look」というのは、あの患者さんは昨日、Hbが8.0g/dLで輸血したけど……とか、6.0g/dLだったけどどうだったかなと意識的に見ることです。

「See」は、見えてくるんですね、何も考えずとも。意識的に見なくても「これが異常じゃないか?」というのが見える、わかるというレベルが「See」です。

いますでに採血結果を意識的に見ている人(Look)はそれを続けていただき、意識しなくても「ここが変だな」とか「ここに注意しよう」と見えるようになるまで極めていくのも大事なのですが、この4つで、まずはLookまで到達することがいちばん大事だと思っています。

検査値のレッドフラッグ03


続いては、採血結果から行動に移すNEXT STEPというお話ですが、これは、採血結果はみるだけではなくて、そこからの行動が大事になります。

大枠としては、採血結果をみて(Look)、アセスメントをして(Assessment)、まずは報告して、そこから患者さんのところへ行って、状態把握をして(Report&Action)、またアセスメントをして(Assessment)、その結果をまとめて報告する(Report)となります。

検査値のレッドフラッグ04


いま5つの行動の流れを紹介しましたが、では具体的にどういうことをみていくの?行動するの?何を判断するの?というところをもう少し詳しく話していきたいと思います。

患者さんのベースを把握したうえで採血結果を意識的にみるのですが、そこから採血結果をアセスメントします。それが「やばい」のか、それとも「待てる」のか。「やばい」というのは緊急性があるかないかでの判断です。そこを見極めること。

あとは、先生にすぐ電話しなければいけないのか、それとも次の回診時まで待っていられるかどうかということをアセスメントします。

そして次の「Report&Action」というのが、「やばい」と判断しても、何をどうやって報告するのか、自分がその前のStepでアセスメントした内容を伝えないといけないんですよね。あとは、そこから考えられること、報告した後に何が考えられるのか、次の行動や観察項目は何を見て、自分は何を行動すればいいのかもそこで考えなければなりません。

そこから、採血をみました、アセスメントしました、行動に移しました、となればまたアセスメントにつながります。

そして患者さんから得られた情報ですね。

「Action」のときに、問診や視診、フィジカルアセスメントを通して行ったアセスメントを次の誰かに伝えなければなりません。それはリーダー看護師かもしれないし、ドクターかもしれません。

また、それをどうやって報告するのか?ということで、最後の「Report」につなげていく必要があります。

検査値のレッドフラッグ05



ログインすると動画でも解説が聴けてより理解が深まります。また、ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。







プログラム

#01 なぜ看護師は検査値で悩むのか?
「検査値がなんとなく苦手」なのはなぜか…? 繰り返し勉強するのがカギです!
はじめに
看護師の思考過程について

#02 基準範囲(基準値)とは?
普段気軽に使っている「基準値」「正常値」「異常値」という言葉について改めて整理し、正しく理解しよう!
検査の基準範囲と異常値
基準範囲の考え方

#03 検査値に影響するもの
検査値を変動させる要素をひとつひとつ確認し、アセスメントにつなげよう!
生理的要因・輸液・体位・検体サンプリング
駆血など
検体の溶血
採血量の過不足・検体の取り違い

#04 くすりの作用によって生じる検査値の変動
どの薬剤がどの検査値に影響するか、整理して理解できます!
抗悪性腫瘍薬・抗菌薬、抗ウイルス薬
抗血小板薬、抗甲状腺薬、抗精神病薬など
オメプラゾール、リファンピシン、メチルドパなど
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ACE阻害薬、ヨード造影剤
エストロゲン薬、リファンピシン、経口避妊薬など
β遮断薬、NSAIDs、ACE阻害薬、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ヘパリンなど
ループ利尿薬・ステロイド
まとめ

#05 実践編 採血結果のみかた
採血結果を「みる」にもいろいろある! あなたはどの「みる」で見ていますか?
採血結果のみかた
採血結果から行動へ移す NEXT STEP

#06 「これはやばい!」 採血結果
どの値の何が「やばい」? やばかったら何をする? 根拠と実践が学べます!
やばい採血の値って?
血液検査のパニック値
緊急報告項目

#07 低血糖から導く 5step!
低血糖の事例を5stepにあてはめてアセスメントします!
今回の症例のテーマ:低血糖
低血糖とは
Step① 採血結果をみる
Step③ どう行動するか?
Step⑤ 報告

#08 高K血症から導く 5step!
高K血症の事例から、心電図のおさらいと緊急性の判断を学びましょう!
今回の症例のテーマ:高K血症
血清Kとは
緊急性のある高K血症
心電図のおさらい
高K血症のテント状T波
緊急性のない高K血症
患者さんの状態を把握するポイント

#09 K 6.5mmol/L の症例
実際にこんな症例に出会ったらどう動きますか?
採血結果の5つの注目ポイント
アセスメントの進め方
K 6.5mmol/L だったらどう行動するか?
本症例におけるアセスメント
報告の例
まとめ

▼詳しくはこちらから