第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。

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講師
中田 健
地方独立行政法人 市立東大阪医療センター 消化器外科 部長

<おすすめポイント>
ストーマ造設の基礎知識と実際の流れを、ストーマ愛にあふれる外科医の視点で解説!
たくさんの手術動画と写真で術中の様子・合併症の状態がリアルに分かるから、術前・術後のケアに活かせます。
また、各スライドの内容をひとことでまとめた五七五で、学んだことがしっかり印象づきます♪


配信|CHAPTER 4 ストーマ造設後の観察ポイントと術後ケア


では講義の4つ目「ストーマ造設後の観察ポイントと術後ケア」についてお話しします。

ここでは、まずストーマ術後の経過について、そして観察ポイント、患者さんやご家族に伝えてほしいこと、最後に医師と共有しておきたい情報について学習していきます。

ナースのためのストーマ講座01


ストーマ造設術後の一般的な経過ですが、術後1日目は、まずは患者さんにストーマを見てもらって、できれば装具の上から触ってもらったり、感じてもらいます。

そして2日目におそらく装具の交換をすると思いますので、装具交換の観察であるとか、便の破棄の練習をしていただきます。

3日目以降は、便の破棄を患者さん自身に実践してもらったり、装具交換に参加していただくことで慣れていっていただくことになります。

できれば、4日目、5日目で装具交換の実践、患者さんご自身でできるように練習をしていただいたり、ご家族に参加していただくということで、退院後の生活につなげていくことが重要になります。

ここで重要なことは、退院後の生活に必要十分な方法をシンプルかつポジティブに教育していくことです。「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」という言葉がありますが、それを実践していただき、支持的に、患者さんがやる気になるというかポジティブに捉えられるようなケアを進めていっていただきたいと思います。

ナースのためのストーマ講座02


続いては、ストーマの観察ポイントですが、まずストーマの色調、そして温度ですがこれは血流障害を見分けるポイントです。血流が悪くなると冷たくなりますので、色も黒くなったり紫色になってきたりします。

あとは高さと大きさに変わりがないかということ、そしてガスや便の有無や性状。さらには粘膜皮膚接合部の状態ですが、スライドの写真でも糸が見えていますが、この部分がよく離開したり、肉芽ができたりします。

最後に周囲の皮膚の状態ですね。装具を貼ってある皮膚の部分が汚染によってびらんになったりすることがありますので、それを観察しなければなりません。

ストーマの術後のケアとしては、術後の変化に気づくことがまず第一歩となります。

ナースのためのストーマ講座03


例えば、次のスライドの左上の写真のように接合部が離開してスペースができてしまっていたり、そこから左下の写真のように周囲に感染を起こして膿瘍といって皮膚の下に膿の溜まりができている状態になっていることもあります。

また右上の写真はストーマの粘膜が血流障害を起こしている状態です。ただこのストーマは内側が赤くなっていますのでこの部分は血流があるということで、この写真の状態であれば様子を見ることが多いです。

右下のストーマは完全に壊死して黒くなっていますので、この場合はストーマの再造設を検討しないといけないということになります。

まずはこうした変化に気づくということが重要です。

ナースのためのストーマ講座04


続いては、患者さんとご家族に伝えていただきたいことをお話ししていきます。スライドには退院前に指導しておきたいことを記載しました。

まずは水分をしっかり摂るということです。水分制限はしない。患者さんによっては下痢便のような柔らかい便が出る場合に水分制限で対処する方がおられますが、それは逆効果になりますので、水分をしっかり摂ることが重要です。

次に、繊維質を適度に摂取していただいて、辛いものなど刺激物をできるだけ避けていただくということです。やはり消化にいいものを選択していいただくということが重要になります。

そしてストーマのセルフケアについて頻繁な声掛けをしてあげることです。入院中はストーマの患者さんでも服を着て普通に歩いておられたら、普通の患者さんと変わりありませんので、ストーマがあるということを周りの医療スタッフが忘れることもあります。「ちゃんと便は捨てられていますか?」「ストーマの状態は大丈夫ですか?」と、しっかりストーマに関する声掛けをしてあげることが重要です。

続いては「セルフケアの目標を個別に立案する」ですが、続きはぜひログインして動画で視聴ください。ログインすると、ストーマ外来で患者さんやご家族に伝えてほしいことや、医師と共有しておきたい情報についての解説もご覧いただけます。

ナースのためのストーマ講座05



また、ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。







プログラム

#01 ストーマ造設の基礎
ストーマはどんな目的でどのように造設される? まずは基本をおさらい!
ストーマとは?
ストーマ造設が必要な患者さん
ストーマ造設の目的
ストーマの種類
★手術動画 S状結腸単孔式ストーマ造設
ストーマ造設腸管の選択

#02 ストーマ造設の術前ケア
なぜストーマ造設において術前ケアが重要なのでしょうか。ストーマ造設を取り巻く最近の状況から解説します!
術前ケアの目的
患者・家族に伝えてほしいこと
ストーマサイトマーキング
★手術動画 ループストーマ造設
医師と共有しておきたい情報

#03 ストーマ造設の実際
ストーマ造設術の実際を、術中の動画も交えて解説します。どのようにストーマができるのかがリアルに分かります!
ストーマ造設の手順
単孔式ストーマ造設
★手術動画 腹膜外経路造設
双孔式(ループ)ストーマ造設
投げ出し型ストーマ造設

#04 ストーマ造設後の観察ポイントと術後ケア
ストーマ造設後は変化に気づくのが第一歩! 観察ポイントを押さえよう!
ストーマ術後の経過
観察ポイント
患者・家族に伝えてほしいこと
医師と共有しておきたい情報

#05 ストーマ合併症のアセスメントとケア
様々な種類の合併症のなかでも、特に気を付けたいものは? 治療の実際も解説します!
ストーマ合併症の種類
観察ポイント
ケア・治療の実際
傍ストーマヘルニア
★手術動画 Sugarbaker 法
ストーマ脱出
★手術動画 ストーマ脱出に対するAltemeier法の実際
医師と共有しておきたい情報

#06 その他の話題とまとめ
ストーマ造設を取り巻く状況の変化をキャッチしよう!
ストーマ造設についての最近の話題
ストーマ閉鎖の時期と方法
ハルトマン手術とは?
理想のストーマを造るために
皆さんに期待すること

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