第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムの一部をメディカLIBRARYだけで特別配信します。
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講師
野崎 暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院/西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
<セミナーを受講するとこんなことが学べます>
・心カテに必要な解剖
・アンギオの見かた/12誘導心電図の変化
・見逃してはいけないバイタルサインの変化
・カテ後の注目ポイント
配信|CHAPTER 4:見逃してはいけないバイタルサインの変化
皆さん方の本業、バイタルのところを見ていきたいなと思います。
カテ中ももちろんですし、病棟のところでも、そうだと思いますが、「心電図見といてな」って言われます。
PCI中に、先生が偉そうに「ST見といてや!」って言うと、「見てるわっちゅうねん」って反論したくなっちゃうんですけども、「はい、わかりました」って言うのがコメディカルかなと思います。
「心電図見といてな」って言われるんですけど、心電図を見ていたところで、
心電図の形がちょろっと変わったところで、じゃあなんやねん!って話なんですよね。
心電図が変化したことが重大なわけではなくて、心電図が変化したことで何が起こるのかということを考えなければいけない、ということが私は重要だと思います。
心電図が変化したことを見つけて、伝える、それだけが皆さん方の具体的なお仕事ではなく、心電図を見ているのは、そこから「何か起こるで」ということをみんなに知らせるためです。
「先生、心電図変化してますよ」と病棟でお伝えしたとしても、それだけで終わりなのではなくて、その後、「私たちはこの患者さんを重点的に今から監視に入ります」という宣言でなければいけないということなんですね。
その話をさせていただきたいと思います。
要は心臓は何で動いてんのかと言ったら、全身に血液を送るために動いているわけなんですね。全身に血液を送った証が血圧なわけなんですね。
血圧がちゃんと出せているということを、最終目標にしなければいけないということなんですね。
バイタルの「ヤバい変化」というのは、イコール「血圧変動しそうな状態」だということです。
たとえば、広範囲で心電図変化しているのは、一つ「ヤバい変化」かと思います。また、ある一部分だけ心電図が変化しているというのも「ヤバい変化」ですし、脈が速くなっていることも「ヤバい変化」、あとは血圧波形のカタチが変化しているというのも「ヤバい変化」なんですね。
これについて、お話を進めていきたいと思います。
PCI中と書いていますけども、病棟でも活用できることもあるかもしれません。
まずは、バイタルをみる“テクニック”について考えていきたいと思います。
technic1「音を聞く!」ってことなんですけど、
うちの病院で気になっていたことなので、皆さん方の施設ではどうかと思うんですけど、この前、救急室のベッドサイドモニターを見てたらですね、同期音「ピッピッピッピッ」っていうのが消されてたんですね。なんで消してあんねやということで、あのベッドサイドモニターの同期音というのは、すごく大切なんじゃないかなと思っております。
カテ中はとくにですけども、病棟もなんですけど、仕事中というのはバイタルをずーっと見ておくわけにはいかないですね。カテ中は物品を出したり、薬剤を準備したり、記録を書いたり、いろんなことをしながらバイタルサインを見なければいけない。目はいろんなところにいくわけで、それは当然なんですね。
「私、物品出してたからバイタル見てませんでした」「薬を準備してたからバイタル見てませんでした」なので「VFに気づくのに1分かかりました」。それではいかんわけなんですね。忙しいから心電図を見る余裕がないというのは言い訳にはならない、本末転倒わけなんですね。
バイタルサインというのは、常に見なきゃいけないんです。でも、目を離さなきゃいけない、じゃあどうしたらいいのかといったら「音」、耳でモニタリングするというのはすごく大切なことだと思っております。目を離したとしても、耳を常に同期音に集中させて「ポン、ポン、ポン、ポポポン、ポン、ポン…」ってなったら、パッとモニターを見れる癖をつけるっていうことはすごく大切なことなんじゃないかなと思います。
この話、詳しく後ほど展開していきます。
ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。
プログラム
1 冠動脈を描こう!(前編)
【右冠動脈 #1-4】
・握りこぶしに冠動脈を書いて、解剖をおさらい!
・右冠動脈は(おもに)刺激伝導系を栄養する
・円錐枝を塞ぐとVFになるかも…それはなぜ!?
・前下行枝と4PDは互いに心尖部に向かっている
2 冠動脈を描こう!(後編)
【前下行枝 #6~8 / 対角枝 #9~10 / 回旋枝 #11~15】
・後位側壁枝(ハイラテ)って何?
・カテ後、胸痛がすっきりしていない場合、12誘導心電図は必須です!
・中隔枝:中隔ってどこだ?
・側副血行路(コラテラール)の活躍
・鈍角枝と鋭角枝:名前の由来から解剖を理解する
3 アンギオの見かた/12誘導心電図の変化
・左冠動脈 前下行枝を見たいとき、左冠動脈 回旋枝を見たいとき
・Cアームの角度によって被ばく量は変化する
・PCI 開始時になぜお腹振り方向にアームを振るのか?
・血圧変動をいち早く察知する
・“耳でモニタをみる” 癖をつける
・ST-Tの変化を味方に次の行動につなげる
4 見逃してはいけないバイタルサインの変化
・急変するかもしれない情報を事前に予知するために
・「SV×HR=Co」心臓を知るうえで、イチバン大切なもの
・「ST見ておいてね!」に込められている“意味”
・ヤ〇ルト生成器で理解する「前負荷、収縮力、後負荷」
・動脈圧波形を見れば、一回拍出量がわかる
5 カテ後の注目ポイント(前編)
・造影剤腎症から患者を守るためには?
・カテ中の激しい血圧変動にどう対処する?
・ウェッジに注意しよう!!
・造影剤自動注入装置を使用している場合は圧波形に注目を!
・ワイヤーパーフォレーション
・冠動脈穿孔、破裂
6 カテ後の注目ポイント(後編)
・空気塞栓
・ACS(急性冠症候群)で起こりうる不整脈
・左室自由壁破裂 / 心室中隔穿孔
・乳頭筋断裂 / 心原性ショック
・右室梗塞
・講義のまとめ
【質問コーナー】
・冠動脈造影と実際の冠動脈・解剖の位置関係について
・KBT(キッシングバルーンテクニック)について
・カテ室の人員配置について
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