
第一線で活躍する医師や看護師、医療従事者などが講師として登場し、わかりやすく解説する「メディカのセミナー」。そのセミナーのプログラムのうちチャプターの1つをメディカLIBRARYだけで特別配信します。
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講師
石井富美
多摩大学大学院
ヘルスケアビジネス経営人材育成研究所
<どんなセミナー?>
訪問看護管理者にとって成長し続けるステーション運営は目標であり、新任管理者の「次のステップ」として、ここを突破できるかは、管理者のマネジメント力が問われています。
本セミナーでは、特に、人・モノ・お金・時間・情報の5つの視点において「差がつく!」ポイントをレクチャーします。
配信|1)人で差がつく!

「訪問看護管理者のための差がつくマネジメント術」ということで、人、モノ、お金、情報、そして時間の管理について、どのように行うか、またどこに注意すべきかをお話ししていきます。
世の中の経営状況が変化していることや、社会全体が在宅医療に求める役割が増えていることは、皆さんも実感されていると思います。まずは、在宅医療に対して社会がどのような期待をしているのかという背景について触れ、そのうえで、「人・モノ・お金・情報・時間」の管理の話に進めていきます。
事前に資料は配布していますので、ご覧になりながら聞いていただいて大丈夫です。また、資料の最後に私のプロフィールをまとめてありますので、そちらもご覧ください。プロフィールのQRコードから名刺情報も取得できますので、関心のある方はご活用ください。
それでは、話を進めていきます。
まず、経営の管理の目的についてお話しします。今日は管理者の方々が多く、マネジメントというテーマでお集まりいただいていますので、「経営管理をどう進めていこうか」と考えていらっしゃる方も多いと思います。
そもそも経営とは何か、という基本の話から始めます。経営とは、ドラッカーさんが著書「マネジメント」でも述べている通り、組織―私たちの場合はステーション―の理念や目的を達成するために、限られた経営資源を効率的に配分し、継続的・計画的に意思決定を行い、それを実行して事業を進めていくことを指します。
ですので、お金を儲ける、利益を出すということももちろん経営には含まれますが、一番重要なのは、私たちが提供する医療というサービスを、必要な方々に最善の形で届けることです。
そのために、「人・モノ・お金・情報・時間」を使いながら事業を進めていきます。常に「誰に喜んでもらうのか」を意識しながら、自分たちの事業を進めていくことが、経営というものです。
ここはひとつ、しっかり押さえておいていただきたいと思います。
経営においては、「誰に喜んでもらうか」と同時に、目的や理念を一番上に置くことが大切です。
「今の自分たちは、掲げているミッションやパーパス、使命、目的に沿って、ステーションの運営や経営を進められているだろうか?」 ――ゴールの呼び方はいろいろありますが、要は「私たちのステーションは何のために作ったのか」「何を成し遂げようと思っていたのか」「誰に喜んでもらうために訪問看護を行っているのか」というところに都度立ち返ること、この点をしっかりと押さえていただきたいと思います。
これを最も大切に考え、言葉で表現して言語化していくことが重要です。
「私たちの目標はこれです」と言葉で表現することは、実は非常に重要です。目標が明確であれば、私たちが今行っていることがミッションに沿っているか、元々目指していた姿からブレていないかを常に評価することができます。自分たちの活動は、自分たちにしか評価できません。そのため、しっかりと言語化しておくことが大切です。
この目標を定めたうえで、「こういう看護を提供しよう」「こういう利用者さんに使ってもらおう」「新たなサービスを試してみよう」といった事業計画を戦略的に作っていきます。しかし、どんなに戦略があっても、目的やパーパスが明確でも、組織が動かなければ成果は出ません。これは訪問看護ステーションに限らず、すべての事業、いわゆるビジネスに共通することです。
組織というのは「人」です。人が動かなければ成果は出ません。「組織は戦略に従う」「戦略は組織に従う」「戦略は人事に従う」など、さまざまな経済学者が論じていますが、組織を構成する「人」、それを管理するマネジメント、そして戦略は一体として動かす必要があります。戦略だけあっても、人数だけいても、マネジメントだけあっても十分ではありません。すべてを整えて初めて、組織として成果を出すことができる、という意識を持っていただければと思います。
ここで少し余談かもしれませんが、「パーパス」という言葉についてお話しします。最近流行りの「パーパス経営」などの言葉です。
パーパスとは「存在意義」のことです。「バリューとパーパス」のようにセットで語られることもあります。
「パーパス経営」とは、企業が「自分たちの存在意義は何か」「社会とのつながりはどこにあるのか」「社会的価値は何か」を明文化し、それに基づいて経営を行うことです。社会貢献活動を意識するときにもこの言葉が使われます。
私たち医療・介護従事者のパーパスは非常に明確です。そもそも社会のために必要だから生まれたサービスなので、利用者の健康を守り、地域社会に貢献することが役割です。今や私たち在宅医療・介護従事者がいなければ、地域社会が回らないほどの重要な役割を担っています。
つまり、「地域の住民が健康で安心して暮らせること」こそ、私たちが提供している価値です。そのために医療や介護、生活支援を行い、自分たちのサービスを提供するのが私たちのパーパスです。
提供するサービスは限られるかもしれませんが、それは地域の方々にとって必要なものであり、社会のインフラになっています。そして、その組織を適切にマネジメントすることが求められるということです。
ご購入いただくとすべてのプログラムがご覧いただけますのでぜひご検討ください。

プログラム
1)人で差がつく!
自分たちのステーションがどういう訪問看護を目指すかが伝わっていますでしょうか?
人材確保において重要なこと、「私のことを呼んでいる」ことが伝わる――採用活動のキーポイントを解説します。
2)モノで差がつく!
電子カルテ、情報連携ツール、スタッフ間コミュニケーションツールなどを活用して、業務効率を上げるための業務整理の仕方を共有します。
3)お金で差がつく!
算定もれていませんか? 改定から1年経ち、たまってきた知見も含めて、押さえるべきこと・見落としがちなこと、誤解しているところを、ピックアップしてお伝えします。
4)時間で差がつく!
すべて自分でやっていませんか? 管理者がやるべき仕事、任せる仕事をどう切り分けていくか?
訪問看護師のための実践タイムマネジメント術をお伝えいたします。
5)情報で差がつく!
患者さんから来てくれると思っていませんか? 元病院勤務者ならではの思考から脱しよう! 日頃の小さな関係の積み重ねが結果につながります。
普段から心掛けておきたい、新しい営業の視点を解説します。
◎質疑応答
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