河添有希
理学療法士
 


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大事だってのはわかってる。解ってた方がいいってのもわかってる。
勉強しなきゃってずっと思ってる。でも、でも、なぜか気が進まない!
なんて思ってる方も多いんじゃないですか?

呼吸の勉強は地獄巡り!?

病棟にいるとよく「呼吸の勉強って難しそうでどこから手をつけていいかわかんないです」なんて声を聴いたりします。

そう、確かにどこから勉強していいかが非常にわかりにくい。
解剖学? 生理学? 病態? 人工呼吸器? フィジカルアセスメント?

いろーーんな分野がありますよね。そしてそれぞれに色んな地獄が待ち構えているわけです。血液・呼吸機能検査・各種パラメーターなんかの数字地獄。ついでに計算式なんかまで出てきて、文系の方からするとハードルが非常に高くなってしまいますよね。

人工呼吸器・人工心肺・モニター等の機械地獄。機械の構造を理解しないと患者の安全管理上問題があるなんて言われると機械オンチには困ったもんです。

その機械地獄から派生してアラーム地獄。けたたましい音とともに判断を迫られるストレスたるや…。

極めつけは感覚地獄。視診・触診・聴診を駆使したフィジカルアセスメントは重要とわかっていても・教えられても・学んでも感覚的過ぎて正解がわからない。伝えたくてもなんとも伝わらないあのもどかしさ。

このような沢山の地獄をしっかり巡って、情報を得た上で病態と結び付けろ・自分たちの職として何ができるか考えろとくるもんだからほんとにややこしいわけです。

知識の土台がないと理解はなかなかすすまない

担当した患者を理解しようと、その時々で様々な勉強をすると思います。でもそれって出された問題に対して正解になりそうなワードを必死に探してるってパターンが多いですよね。そうなるとその状況やその患者に限定された知識となってしまい、新たな状況になったときに柔軟に使える知識でなかったりします。さらに応用もきかないのです。それを防ぐにはやはり基礎から標準的知識をある程度網羅して持ち合わせておく必要があります。その手段として3学会呼吸療法認定士は抜群なわけです。

感覚地獄の打破に必要なのは情報の統合と解釈

先ほど感覚地獄の話をしましたが、確かにアセスメントを取るという1つのことだけをみると難しいです。それはその1つの仮説を補強してくれる他の情報を持ち合わせてないからなのです。様々な情報を取り、総合的にみてフィジカルアセスメント情報を解釈していく必要があります。

理解が進めば先手を打てる

呼吸・集中治療好きな人・勉強してきた人に共通していることは、「数字・機械が無いと逆に怖い」ってことだと思っています。これはなぜかというと、患者の身体の中の状態を理解するきっかけが検査数値や機械の発する音・波だったりするんです。それらの情報を常に把握しておくことで、患者はこんな状態かもしれないと仮説を立てられるようになります。そしてその仮説も同時に何パターンも立てられるようになるんです。その仮説を基に予め対策を何パターンも用意できていれば、そしてその通りに事が進めば…こんな気持ちいいことなかなかないですよ!身体の中で生じている事を理解できるようになるのは本当に興味深いことです。是非今よりも深く勉強してみてはいかがでしょうか。

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目次


・本書の特長と使い方

【プロローグ 呼吸療法認定士合格のヒケツ】

【1章 呼吸療法総論】
■問題編 Q1-10
■解説編
1 呼吸療法の歴史/2 公衆衛生/3 生命倫理/4 関連法規と保険診療

【2章 呼吸不全の病態・解剖生理】
■問題編 Q11-55
■解説編
1 胸郭と胸腔の解剖/2 気管・気管支の解剖/3 呼吸に関するリンパ系/4 呼吸に関する神経系/5 呼吸筋の解剖/6 呼吸とコンプライアンス/7 呼吸とガス交換の解剖生理/8 呼吸と換気血流比/9 動脈血酸素含量/10 呼吸中枢と調節の解剖/11 肺循環/12 換気のメカニクス/13 気道の生理学/14 気管・気管支の解剖/15 肺胞に関する解剖 COLUMN/16 呼吸不全の病態と治療/17 COPD/18 気管支喘息/19 肺炎/20 肺結核/21 びまん性肺疾患/22 ARDS COLUMN/23 肺がん/24 気胸/25 肺血栓塞栓症/26 急性心不全/27 睡眠時無呼吸症候群/28 胸部外傷 COLUMN

【3章 血液ガス・肺機能検査】
■問題編 Q56-86
■解説編
1 肺の解剖生理/2 低酸素血症の原因/3 A-aDO2と肺胞低換気/4 低酸素血症と臨床/5 低酸素血症と酸素解離曲線/6 酸素(エネルギー)の需要と供給/7 血液ガスの正常値/8 酸素解離曲線の理解/9 ヘモグロビン緩衝系/10 酸塩基平衡/11 アニオンギャップ/12 酸塩基平衡と代償反応/13 血液ガスの臨床 COLUMN/14 肺機能検査の基礎知識/15 肺機能検査の測定結果/16 機能的残気量(FRC)検査/17 気管支喘息の検査/18 N2単一呼出曲線/19 拡散能検査/20 各種検査と得られる情報/21 コンプライアンス検査/22 COPDの病態と検査/23 肺機能検査の臨床 COLUMN

【4章 人工呼吸】
■問題編 Q87-146
■解説編
1 人工呼吸器の基本構造/2 アラーム・安全管理/3 医療ガス・ボンベ/4 気道確保、気管挿管、気管切開/5 気管チューブ・気管切開チューブ、カフ圧/6 用手換気装置/7 加温加湿 COLUMN/8 人工呼吸の適応と特徴/9 換気様式とモード・設定/10 グラフィックモニター/11 症例から考える COLUMN/12 パルスオキシメトリー・カプノメトリー・経皮ガスモニター COLUMN/13 循環動態のモニタリング:動脈圧/14 循環動態のモニタリング:肺動脈カテーテル/15 循環動態のモニタリング:心電図 COLUMN/16 人工呼吸合併症/17 術後合併症/18 水分・栄養管理/19 ウィーニング/20 全身管理 COLUMN

【5章 酸素療法・NPPV】
■問題編 Q147-186
■解説編
1 酸素投与の方法・器具・モニター/2 高気圧酸素療法/3 ハイフローセラピー(ネーザルハイフロー)/4 在宅酸素療法(HOT)/5 在宅人工呼吸(在宅NPPV、在宅TPPV)/6 酸素療法に関わる保険適用 COLUMN/7 NPPVの適応/8 NPPVの効果/9 NPPVの設定方法、しくみ/10 NPPVの管理 COLUMN

【6章 薬物療法】
■問題編 Q187-220
■解説編
1 エアロゾル粒子/2 吸入薬剤の分布/3 ネブライザーの種類と特徴/4 スペーサーの使用/5 pMDI/6 DPI/7 SMI/8 吸入薬の種類/9 LAMA/10 LABA/11 ICS(吸入ステロイド薬)治療/12 喘息治療ステップ/13 安定期COPD の治療/14 ステロイド薬の副作用/15 pMDIの利点 COLUMN/16 気管支拡張薬/17 鎮咳薬/18 去痰薬/19 副腎皮質ステロイド薬/20 抗アレルギー薬/21 生物学的製剤/22 抗微生物薬/23 抗菌薬/24 肺疾患の薬物療法 COLUMN

【7章 呼吸リハビリテーション】
■問題編 Q221-240
■解説編
1 呼吸リハビリテーションの目的/2 呼吸リハビリテーションの実施体制/3 患者選択/4 呼吸リハビリテーションを実施する目安/5 呼吸リハビリテーションの評価/6 呼吸リハビリテーションのエビデンス/7 呼吸困難の評価/8 コンディショニング/9 口すぼめ呼吸/10 6分間歩行試験とシャトルウォーキングテスト/11 運動処方/12 パニックコントロール/13 身体障害者手帳/14 集中治療における早期リハビリテーション/15 ABCDEバンドル COLUMN

【8章 新生児・小児の呼吸管理】
■問題編 Q241-255
■解説編
1 胎児期・出生時の循環と呼吸/2 肺サーファクタント/3 新生児の呼吸と管理/4 新生児の出生時対応/5 乳児の呼吸の特徴/6 小児の呼吸の特徴と管理 COLUMN

・苦手問題をキーワードから検索できる逆引きINDEX
・早調べ略語集
・資料ダウンロード方法

発行:2024年6月
サイズ:B5判 240頁
価格:4,180円(税込)
ISBN:978-4-8404-8491-6

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