河添有希
理学療法士
 


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さて、前回と同じテーマでやっていきたいと思います。それにしてもこの時期から情報収集して勉強をがんばるぞって方はほんとに偉い。余裕のある時期に余裕をもって取りかかれる人ほど、その知識が血肉となって臨床で役立つことと思います。
前回の記事の最後にも言いましたが、臨床で湧き上がってきた疑問を解決していくことが最も大事です。この資格を得る最大のメリットは基礎となる知識を蓄えて、専門的な会話を理解できて疑問を解決する手段・方法を少しでも得られることにあると思っています。過去問をすらすら解けるという技術も資格を得るためには必要なことですが、本筋は臨床での問題解決です。

でも日常の臨床で疑問なんかわかないよ!

臨床の疑問を日々解決していくことが最高の勉強方法ですが、日常ではそこまで疑問が湧かないよって方もいると思います。さあこれから呼吸を勉強するぞ!勉強するために認定士を受けるぞ!って方は特に臨床における呼吸の疑問なんて湧きにくいと思います。これは単語・手技・物品・検査名など、色々な情報を知らないというところから始めているからだと思います。

無→知らない→なんか聞いたことある→知っている→理解する→説明できる

このような流れで知識は深まっていきます。まずは知ること、聞いたことがあるというレベルに自分自身をもっていければ、どんどんアンテナ感度が上がり知らないということを認知できます。「知らない」さえ認知できればどんどん疑問が湧いてきますよ。

一本釣り漁法より底引き網漁

知識量って網目の細やかさに似てませんか?知識がなければ網目は粗く、色々な情報はすり抜けていきます。知識が多いほど網目が細かく、色々な情報を日々キャッチでき、その情報から学ぶことでより細かく強靭な網になっていきます。日頃から様々な情報を得ることができない人は、どんどん情報に触れる機会を失い、より粗い網になります。しまいには自分の持っている知識だけで勝負する一本釣りスタイルになっていくのです。
一本釣りスタイルの人は「○○を勉強するぞ!(orしなきゃいけなくなった)」となった時に、持っている知識量が少なく一から始めなければいけないばかりか、臨床でのイメージが湧かずに苦労します。日々網目を細かく強靭に鍛えてきた人たちは、知識と臨床イメージの結びつきにより進みがかなり早く理解も深まります。常日頃、情報をガンガンとキャッチして処理していればいざという時に役立ちます。

単純に知っている単語量を増やすと網目は細かくなる

ではどうやって網目を細かくしていくか。それは知っている単語量を増やすことです。呼吸の世界は英単語・英略語を含め聞きなれない単語が多々あります((『100日ドリル』P48の表①②③)。その単語を見つけたら調べる。調べるとまた知らない単語が出てくるから調べる。調べたものをカルテ上でどのように使われているかを見てみる。過去問の解説や講習会テキストでどのような文脈で使われたのかを見てみる。これを繰り返すだけで圧倒的に知識は増えます。網目が細かくなります。

『100日ドリル』では過去問集には珍しく索引・略語集が充実しています。ここを眺めて、知らなければ該当ページに飛ぶって勉強方法も実は有効なんですよ。

まずは「無」の状態から脱するために「知る」を徹底的に行っていくと良いと思います。
そこから「理解」に繋がれば最高ですし、今後試験勉強をしていくなかでそれらが繋がりはじめると思います。いまはその準備の時期です。

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目次


・本書の特長と使い方

【プロローグ 呼吸療法認定士合格のヒケツ】

【1章 呼吸療法総論】
■問題編 Q1-10
■解説編
1 呼吸療法の歴史/2 公衆衛生/3 生命倫理/4 関連法規と保険診療

【2章 呼吸不全の病態・解剖生理】
■問題編 Q11-55
■解説編
1 胸郭と胸腔の解剖/2 気管・気管支の解剖/3 呼吸に関するリンパ系/4 呼吸に関する神経系/5 呼吸筋の解剖/6 呼吸とコンプライアンス/7 呼吸とガス交換の解剖生理/8 呼吸と換気血流比/9 動脈血酸素含量/10 呼吸中枢と調節の解剖/11 肺循環/12 換気のメカニクス/13 気道の生理学/14 気管・気管支の解剖/15 肺胞に関する解剖 COLUMN/16 呼吸不全の病態と治療/17 COPD/18 気管支喘息/19 肺炎/20 肺結核/21 びまん性肺疾患/22 ARDS COLUMN/23 肺がん/24 気胸/25 肺血栓塞栓症/26 急性心不全/27 睡眠時無呼吸症候群/28 胸部外傷 COLUMN

【3章 血液ガス・肺機能検査】
■問題編 Q56-86
■解説編
1 肺の解剖生理/2 低酸素血症の原因/3 A-aDO2と肺胞低換気/4 低酸素血症と臨床/5 低酸素血症と酸素解離曲線/6 酸素(エネルギー)の需要と供給/7 血液ガスの正常値/8 酸素解離曲線の理解/9 ヘモグロビン緩衝系/10 酸塩基平衡/11 アニオンギャップ/12 酸塩基平衡と代償反応/13 血液ガスの臨床 COLUMN/14 肺機能検査の基礎知識/15 肺機能検査の測定結果/16 機能的残気量(FRC)検査/17 気管支喘息の検査/18 N2単一呼出曲線/19 拡散能検査/20 各種検査と得られる情報/21 コンプライアンス検査/22 COPDの病態と検査/23 肺機能検査の臨床 COLUMN

【4章 人工呼吸】
■問題編 Q87-146
■解説編
1 人工呼吸器の基本構造/2 アラーム・安全管理/3 医療ガス・ボンベ/4 気道確保、気管挿管、気管切開/5 気管チューブ・気管切開チューブ、カフ圧/6 用手換気装置/7 加温加湿 COLUMN/8 人工呼吸の適応と特徴/9 換気様式とモード・設定/10 グラフィックモニター/11 症例から考える COLUMN/12 パルスオキシメトリー・カプノメトリー・経皮ガスモニター COLUMN/13 循環動態のモニタリング:動脈圧/14 循環動態のモニタリング:肺動脈カテーテル/15 循環動態のモニタリング:心電図 COLUMN/16 人工呼吸合併症/17 術後合併症/18 水分・栄養管理/19 ウィーニング/20 全身管理 COLUMN

【5章 酸素療法・NPPV】
■問題編 Q147-186
■解説編
1 酸素投与の方法・器具・モニター/2 高気圧酸素療法/3 ハイフローセラピー(ネーザルハイフロー)/4 在宅酸素療法(HOT)/5 在宅人工呼吸(在宅NPPV、在宅TPPV)/6 酸素療法に関わる保険適用 COLUMN/7 NPPVの適応/8 NPPVの効果/9 NPPVの設定方法、しくみ/10 NPPVの管理 COLUMN

【6章 薬物療法】
■問題編 Q187-220
■解説編
1 エアロゾル粒子/2 吸入薬剤の分布/3 ネブライザーの種類と特徴/4 スペーサーの使用/5 pMDI/6 DPI/7 SMI/8 吸入薬の種類/9 LAMA/10 LABA/11 ICS(吸入ステロイド薬)治療/12 喘息治療ステップ/13 安定期COPD の治療/14 ステロイド薬の副作用/15 pMDIの利点 COLUMN/16 気管支拡張薬/17 鎮咳薬/18 去痰薬/19 副腎皮質ステロイド薬/20 抗アレルギー薬/21 生物学的製剤/22 抗微生物薬/23 抗菌薬/24 肺疾患の薬物療法 COLUMN

【7章 呼吸リハビリテーション】
■問題編 Q221-240
■解説編
1 呼吸リハビリテーションの目的/2 呼吸リハビリテーションの実施体制/3 患者選択/4 呼吸リハビリテーションを実施する目安/5 呼吸リハビリテーションの評価/6 呼吸リハビリテーションのエビデンス/7 呼吸困難の評価/8 コンディショニング/9 口すぼめ呼吸/10 6分間歩行試験とシャトルウォーキングテスト/11 運動処方/12 パニックコントロール/13 身体障害者手帳/14 集中治療における早期リハビリテーション/15 ABCDEバンドル COLUMN

【8章 新生児・小児の呼吸管理】
■問題編 Q241-255
■解説編
1 胎児期・出生時の循環と呼吸/2 肺サーファクタント/3 新生児の呼吸と管理/4 新生児の出生時対応/5 乳児の呼吸の特徴/6 小児の呼吸の特徴と管理 COLUMN

・苦手問題をキーワードから検索できる逆引きINDEX
・早調べ略語集
・資料ダウンロード方法

発行:2024年6月
サイズ:B5判 240頁
価格:4,180円(税込)
ISBN:978-4-8404-8491-6

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