心臓の動くスピード
心臓ってめっちゃ動いてる。
1分間に60回動くとしたら、60回×60分で1時間に3,600回。24時間で86,400回。60回/分の一定に動いていればなんですが。
心臓の動くスピードは、カラダの動きによってコントロールされています。実際はカラダの動きではなく、交感神経・副交感神経の働きによってコントロールされているんです。
私たちは、活動すると交感神経が優位に立ちます。交感神経が優位に立つと、心臓の動き(心拍数)が速くなります。普通に活動するだけでも交感神経は亢進しますが、運動したり……、緊張したり……、戦ったり……、そしてイライラしたり。
そんなときには、汗がいっぱい出たり、血圧が上がったり、呼吸が速くなったり、心臓だけでなくカラダは各部位が連携をとって活発に動くことになりますね。
すべては交感神経によってコントロールされているんですね。そりゃー疲れますよね。特に、緊張感ある仕事を毎日している看護師のみなさんは交感神経優位に立ちまくり。まだ仕事に慣れない、職場に馴染めない新人さんや若手のみなさんは、特に毎日毎日、疲労困憊ですよね。
そんなカラダをいたわり休めたときには、副交感神経が優位に立ちます。お風呂に入ったり、寝たり、安らぐ人と食事をしたり、ゆったりとした心地良い時間を過ごしているときには、心拍数は落ち着きゆっくりスピードになります。
心拍数でカラダ全体をコントロール
毎日、そのとき、そのときに心拍数は変動しています。これによって、カラダ全体をコントロールしているのです。カラダのすべての臓器(組織)は、血液を栄養分として活動しています。
カラダの動きによってそれぞれの臓器は栄養分の必要量は違ってきます。血液を届ける心臓は、回数を変動させることによって、各臓器に届ける血液量をコントロールしているのですね。
ここで大切な式をひとつ。
※超大切※
この式は、私がヒトのカラダを診るうえでとっても大切な式だと思っています。
この先、メディカLIBRARYでのこの連載は、みなさんにお付き合いいただいて、心臓・循環器系のお話をしていきたいと思います。その中でちょいちょいこの式が出てくるかと思います。
ぜひ、みなさんも覚えてください。
SV:1回拍出量
HR:心拍数
Co:心拍出量
Coは心拍出量。心臓から拍出される血液の量のことです。つまり全身の臓器に届けられる血液の量。この式はかけ算になっているので、全身に届ける血液の量を増やしたければ「心拍数」を上げればいいのですね。
詳しいお話はまたじっくり時間をかけてしていきたいと思います。
今日はこのへんで。
新生会総合病院 高の原中央病院
臨床工学科 MEセンター
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。