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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:ワクチン

前回の「ウイルス」つながりで、今回は「ワクチン」を紹介します。
2021年2月17日より国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。
およそ4万人の医療従事者が先行接種を行い、3月には私が勤める病院でもワクチン接種が予定されています。
病院では、外国人を含む一般の方からの問い合わせも増えていると聞きました。
でも、まさか「ワクチン」が日本でしか通じない言葉だとは思いませんよね。
「ワクチン」は、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさん思っていませんか?

「ワクチン」は、「雌牛」を意味するラテン語の「vacca」が由来です。
なぜ牛かというと、世界初のワクチンが牛痘をヒントに作られた天然痘ワクチンだからと言われています。
もうすこし詳しく知りたい方は「ジェンナーの種痘」を検索してみてください。

「ワクチン」は、英語で「vaccine」です。
最初の発音は「ワ」ではなく、日本語にはない[va]の音「ヴァ」と発音し、「シ」にアクセントを置いて「ヴァクシィーン(væksíːn)」が英語に近い発音です。

日本と海外では、定期接種のワクチンの種類も時期も接種方法も異なります。
日本では2020年10月からあらたにロタウイルスワクチンが定期接種になりましたが、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどでは2006年からすでに導入されています。
接種方法に関しては、日本以外の国は筋注が基本です。
赤く腫れたりかゆくなるといった副反応が起こりやすい皮下注を推奨する日本のワクチン接種は、一歩足を外に向けると非常にめずらしい接種方法なんですよ。

Did you get a COVID-19 vaccine?

(新型コロナウイルスのワクチンは受けましたか)

※この会話はそう遠い未来ではなく、ワクチンが市場に出回れば必須の会話となる日も近いでしょう。「COVID-19」をほかのワクチン名に置き換えれば、予防接種歴を尋ねることができます

We are sorry but flu vaccines are fully booked this year.

(申し訳ありませんが、今年のインフルエンザワクチンは予約でいっぱいになりました)

※「インフルエンザワクチン」は「flu vaccine」を使いましたが、「flu shot」に置き換えてもいいでしょう。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


同じような言葉に「Failure is the mother of success(失敗は成功の母)」などがあります。私のように幼少期から“成功の反対は失敗だ”と教わってきたら、何事にも失敗を恐れ回避しようとします。そして、失敗したら落ち込むのです。
でも、“失敗は成功の一部だ”と教わっていたなら、失敗を恐れず行動することが成功への道なんだと思え、失敗しても笑顔でいられたかもしれません。
失敗したと悩んでいる方がいたら、ぜひこの言葉に触れてほしいです。
そして、お子さんのいる方には、ぜひこの言葉をかけながら子どもの失敗を温かく見守ってほしいと切に願っています。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。