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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:アストマ

「既往にアストマがあります」
看護師さんなら「アストマ=喘息」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「アストマ」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「アストマ」は、まったく通じない日本独特のカタカナ英語です。
「喘息」は、英語で「Asthma」です。
最初の「ア」にアクセントを置いて「アズマ(ˈæzmə)」が英語に近い発音です。
日本では薬事法上規制されているので処方薬のCMがテレビで流れることはありませんが、アメリカではAsthmaやCOPDなどの治療薬を宣伝するCMが頻繁に流れています。
私がとくに印象に残っているのは「Myrbetriq(mirabegron)」という処方薬のCMで、日本では過活動膀胱に処方される「ベニタス」という薬です。
そのCMでは、なんと膀胱のマスコットが女性と買い物に行ったり、キャンプをしたり、カヌーに乗ったりするのですが、ことあるごとにトイレに行こうと女性の手を引っ張るのです。
最終的に女性は「もう十分」と憤慨し、医者にかかって薬の説明を受け治療を始める、という流れなのですが、膀胱のマスコットがなんともリアルでキモかわいいのです。

さて、日本とアメリカの薬事情は処方薬だけでなく市販薬も異なります。
ドラッグストアに行くと日本では処方箋がないと買えない薬がズラリと棚に並んでおり驚きますよ。
ぜひ、COVID-19が落ち着いてアメリカに行く機会があれば、ドラッグストア観光をおすすめします。

Do you have a history of asthma?

(喘息の既往はありますか?)

※既往歴を尋ねるときは「do you have a history of~」のフレーズが使えます。





30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


もともとは「つらいことがやっと終わっても、ほっとする間もなく次が待ち構えている」「途中で投げ出したって楽にはならない」という人生の戒めの意味があります。
「人の世は関所越えればまた関所」という日本のことわざに相当しますが、今はもっとポジティブに「終わりは次の世界へのはじまり」という意味で使われています。

人生の次章へ進むとき、必ずしも人は爽快感や達成感で満ちているとは限りません。
志半ばだったり、先の見えない不安と自信のなさから、自分の決断を後悔することもあるでしょう。
でも、新しい生活が始まれば、忙しさから当初の不安なんてすぐに忘れてしまいます。
3カ月も経てば新しい世界にすっかり慣れ、また別のことで悩んでいるのです。
新しい世界へ一歩踏み出す勇気がほしいあなたへ
「Every exit is an entry to somewhere else」

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。