外国人患者さんには通じない医療用語|リウマチ|#016|佐藤まりこ

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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。


本日のカタカナ英語:リウマチ

最近は「リウマチ外来」などの専門外来が多くなりましたよね。
リウマチは自己免疫疾患の1つで、30~50代の女性に多い疾患です。
リウマチの既往歴はステロイドの服用に関連するため、術後感染や創治癒遅延などに注意が必要です。
「リウマチ」はカタカナだし、きっと英語由来だからそのままでも通じるのでは、とみなさん思っていませんか?

「リウマチ」は、通じない日本独特のカタカナ英語です。
「リウマチ」は、英語で「Rheumatism」、「関節性リウマチ」は、英語で「Rheumatoid arthritis」です。
英語の発音は、最初の発音が「リ」ではなく「ル」と発音して「ルーマティズム(rúːmətìzm)」、「関節性リウマチ」は「ルーマトイド アスライティス(rúːmət`ɔɪd ɑːrθráitis)」が英語に近い発音です。
「関節性リウマチ」の略語に「RA」が使われるのは「Rheumatoid Arthritis」の頭文字からきています。

「リウマチ」の語源は、「流れ」を意味するギリシア語の「rheuma(ロイマ)」です。
リウマチの関節痛は、脳から悪い液が流れて関節に溜まって起こると考えられたり、水が流れるように痛みがあちこち移ることから、こう呼ばれたそうです。
17世紀の画家ルーベンスや印象派の巨匠ルノアール、ミステリーの女王アガサ・クリスティなど歴史上の人物もリウマチを患い、その痛みや変形する関節と闘いながら傑作を残し続けたと言われています。
「リウマチと言えばステロイド」という治療が始まったのは1948年以降です。
それから70年以上の歳月が過ぎ、現在は、最新のバイオテクノロジーによって作られた生物学的製剤が誕生し、完全治癒を目指す疾患になりつつあります。疾患一つをとっても、その歴史や治療の推移は奥深いですね。

Do you have a history of rheumatoid arthritis ?

(リウマチの既往をお持ちですか?)

「have a history of~」は既往歴をたずねるときに使えるフレーズです。




30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


元プロロードレーサーのランス・アームストロングの言葉です。
私がこの言葉に出会ったのは、アメリカで看護師として仕事を始めたときでした。
早すぎてついていけない英語、緊張する患者さんとのやり取り、慣れない労働環境、さらに追い打ちをかけるルート確保のスランプ。
“自分はみんなの足手まといになってばかりだ”と辞めて楽になることばかりを考えていました。
でも、今まで何のために努力してきたのかと悔しくて情けなくて悩んでいたとき、この言葉に助けられました。
辞めたらたしかに楽になります。
でも、“どうしてあのときもうすこし我慢できなかったのだろう”と働くチャンスを放棄した自分に一生後悔するのは目に見えていました。
今日の言葉は、“今の苦しみは一時だ、我慢して慣れるための努力をしろ”と、自分を奮い立たせてくれました。

困難に直面したら、苦しみから逃げたくなりますよね。でも、逃げたら一生元には戻らないこともあります。
大抵の苦しみは、時間とともに和らいでいくものだとしたら、もうすこし踏ん張ってみませんか?
今、苦しくて投げ出したい、早く楽になりたいと悩んでいるあなたへ
「pain is temporary. Quitting lasts forever」

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佐藤まりこ 

生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。