外国人患者さんには通じない医療用語|アネミア|#019|佐藤まりこ

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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。


本日のカタカナ英語:アネミア

「既往にアネミアがあります」「102号室の患者さんはアネミー著明なので転倒注意です」
看護師さんなら「アネミア/アネミー=貧血」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「アネミア」はカタカナだし、そのままでも通じる英語なのでは、とみなさんは思っていませんか?

「アネミア」という読み方は、英語ではなくドイツ語由来です。
「アネミア」は、英語で「Anemia」です。
「アネ」ではなく「アニィー」と伸ばして、「アニィーミア(əníːmiə)」が英語に近い発音です。
ですが、この言葉がビックリするほど通じませんでした。
いくらそれらしく発音してもまったく通じないので、紙に書いて伝えたほどです。
いまだにどこを直したらすぐに理解してもらえるのかわからず、トラウマになっています。
もし、私と同じようにまったく通じない場面に直面したら、ぜひ使っていただきたいのが「anemic」です。
「anemic」は「anemia」の形容詞で「貧血の」という意味です。
「アニィミック(əníːmɪk)」が英語に近い発音ですが、こちらはなぜかすんなりと通じます。
以来私は、名詞だろうが形容詞だろうが気にせず「貧血」はすべて「anemic」を使って場をしのぎました。

そんな経験は公私問わず山のようにあります。
海外旅行をすると全然通じないという経験は、ほろ苦いものですよね。
でも、大事なのは粘り強く訴えてみることです。
日本人のように相手の言いたいことを察するということは外国人(とくにアメリカ人)にあまりないので、わかってもらうまでその場を動かない・どくものか!というタフな精神力は大事になります。
そうした図太さを私はアメリカ人から学び、海外旅行で大変役に立ち感謝していますが…日本では控えています。

Have you experienced any signs of anemia, such as fatigue or shortness of breath ?

(全身倦怠感や息切れといった貧血の症状はありませんでしたか)




30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


日常生活でもよく耳にする決まり文句です。
「sorry」は「後悔する」という意味があり、直訳すると「後で後悔するよりもしっかりとした安全策を」という感じです。
「転ばぬ先の杖」「念には念を」という日本のことわざに相当します。

アメリカでは、とにかく書類関係のトラブルが多発しました。
日本では信じがたいほど仕事が適当なのです。
当初、書類が期限を過ぎても届かないと「忙しいのかな……」などと気を使っていましたが、そんなことでは一生届かないことを知るのに時間はあまりかかりませんでした。
郵送したら受取りしたことを確認、担当者を確認、完了時期を確認、期限を過ぎたら進捗状況を確認など常に確認して、やっと手元に届いた書類は数知れず……。
英語でのやり取りですから、容易ではないのですが、「better safe than sorry」を合言葉にめげずに取り組んでいました。
今でもその習慣は身に付いており、必ず担当者の名前をメモしています。
普段使いとしては、たとえば外出先の定休日を調べるときや買いたいものが売り切れではないかお店に確認するときなどに「better safe than sorry」を使います。
ぜひ、みなさんも普段から声に出して使ってみてはいかがでしょうか。

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佐藤まりこ 

生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。