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医療現場で当たり前に使っているカタカナやアルファベットの業界用語、「多分英語だからそのままでも外国人患者さんに通じるかも!」と思っていませんか?
じつは、医療現場は通じないカタカナ英語や英語以外の外来語、おかしな造語が飛び交っています。
そんな業界用語に注目し、外国人患者さんに通じる正しい英語の発音やそのポイント、現場で困ったときに使えるフレーズを紹介します。

本日のカタカナ英語:エデマ

「両下肢にエデマがあります」「けっこうエデマってるね」
看護師さんなら「エデマ=浮腫」という意味で使ったことや聞いたことがあるのではないでしょうか。
「エデマ」はカタカナだし、英語由来でそのままでも通じるのではと、みなさんは思っていませんか?

「エデマ」は、英語で「Edema」です。
施設によって「エデーマ」「エデム」「エデーム」など呼びかたが多少異なりますが、いずれにしても外国人患者さんには通じません。
英語の発音は、最初の発音が「エ」ではなく「イ」と発音して「イディーマ(idíːmə)」が英語に近い発音です。
「エデマ」を略して「ED(+)」や「ED(-)」と使っている施設もありますが、一般的に「ED」は「勃起不全」を意味する「Erectile Dysfunction」の略語です。


日本では、患者さんが「浮腫」という医療用語を使うことはなく「むくんでいる」や「腫れぼったい」などと表現しますよね。
英語でも患者さんが「edema」を使うことはあまりありません。
「むくみ」や「腫れ」を意味する「swelling(スウェリング)」や「swollen(スウォールン)」を使うことが多いでしょう。
例えば「My legs are swollen(足がむくんでいます)」や「I have swelling in my ankles and feet(くるぶしから下がむくんでいます)」といった感じです。

また、顔や目が腫れぼったいときには「puffy(パフィー)」を使います。
例えば「My eyes are puffy when I wake up in the morning(朝起きると目が腫れぼったいです)」といった感じです。

When did you notice your swollen legs?

(足がむくんでいることに気づいたのはいつですか?)

Dose a pit remain when you press on your swollen ankle?

(足首を指で押すとへこみますか)






30歳を過ぎてからアメリカで看護師をめざした私は、偉人たちの言葉や名言に何度も背中を押してもらい、一歩ずつ前に進む勇気をもらいました。
人はみな、多かれ少なかれ何かに悩んでいます。
そんなときに立ち止まってほしい言葉を紹介します。


徹底した非暴力主義でイギリスからの独立に貢献し、インド独立の父と称されるマハトラ・ガンジーの言葉です。
「目には目を、歯には歯を」は、みなさん聞いたことがありますよね。世界最古の法典「ハムラビ法典」にかかれている一説で、「やられたら同等の仕打ちでやり返す」という意味で使われます。ただし、本来は復讐をあおるような意図ではなく、「やられた以上の過剰な復讐はしてはいけない」という抑止の意図でつくられたといいます。
「今日の言葉」は抑止よりもさらに発展し、暴力に暴力で報いるのではなく、暴力による不幸や憎しみの連鎖を非暴力で断ち切る、というガンジーの覚悟と偉大さを感じる言葉です。
私がこの一説に出会ったときは、あまり深く考えずに「たしかに……」程度の理解でしたが、なんとなく印象に残りノートの片隅に走り書きをしていました。その後、映画「ガンジー」を観て、暴力に対して非暴力で戦うことがいかなるものかを知ります。時に命を差し出す覚悟と勇気、強い信念と不屈の精神があってはじめて成せることを知り、強い感銘を受けました。

私は凡人なので、理不尽な仕打ちを受けるとイラッとします。暴力を受けたのに黙って耐えるのは「泣き寝入り」じゃないかと考えてしまいます。でも、仕返しをしたところで一瞬スカッとするだけで、お互い憎しみが増して負の連鎖しか作らないことは想像ができます。

仕事でイライラすることは多いですよね。上司から理不尽なことを言われることもあるでしょう。そんなときに「今日の言葉」を思い出すと、なんとなく冷静に言葉を選べるようになります。
「非暴力」の立場から無駄に言い返すのではなく、自分の考える正義や信念を伝えて相手の理解を求めてみませんか? わかってもらえる保証はありませんが、きっと負の連鎖は食い止めることができるはずです。
私もまだまだ修行中です……。

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佐藤まりこ
生まれも育ちも北海道。しかし、寒いのが苦手で大学卒業とともに上京し大学病院に勤務。さらなる暖かさを求めて2009年、米国・ロサンゼルスに留学。2010年、California RN(Registered Nurse) Licenseを取得するが就職先が見つからず無念の帰国。2012年、駐在妻として米国・オレンジカウンティーにカムバック。2013年、Refresher/Reenter-Update Education Programで総合病院の急性期病棟実習を修了。その後、念願のRNとして内視鏡センターに勤務し充実した日々を送るが、2016年、夫が日本に帰りたいと言い出しふたたび無念の帰国。帰国後は、子育てに奮闘しながらも幸せな田舎暮らしを謳歌し大学病院に勤務中。
幸せな時間は、「川の字で寝る休日のお昼寝」。