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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「再会」を綴っていただきました。

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看護師歴、10年とちょい。たしか。ブランクもあるし、まあそんなもんだと思う。
もう詳しい年数は忘れたし、あんまり興味ない。

父の転勤先から、地元の大学へ入学した。
大学で地元から出る人は多いかもしれないけど、わたしはその逆で、父の転勤先へ家族を残し、1人地元の実家に帰ってくる形となった。
数年後、家族が実家に戻って来るタイミングで、わたしは実家を出た。
幼少期に住んでた家は、大人4人で住むには狭すぎて、追い出される形となった。
実習が忙しくなったタイミングだから、ちょうどよかったんだけど。
思えば、そんな一風変わったところもわたしの人生って感じがする。

その後は大学近くに住んでみたり、別の市に住んでみたり、海を越えてみたり、さまざまな地を転々とし、今年ついに10年以上ぶりに実家へ戻った。

就職が実家の近く、しかも母校の最寄りだったり、妹と父親の引っ越しの時期が重なったり、なんだか導かれたようなタイミングだった。

実家に戻るのは自由人のわたしにとって気が進まなかったけど、ここまでタイミングが揃ってしまったら単身をゴリ押しするのも無理があった。

そんなこんなで、ばたばたっと引っ越しをして、もうすぐ1年になる。

結論としては、地元に戻って後悔はしていない。
むしろ良かったと思ってる。

大学病院を退職して以降、1度しか同じ大学出身の人に会っていなかったのに、まさかのこのタイミングでゴロゴロと同じ大学の人と出会う。
さすが地元。
年齢がまったく違うから、お互いにまったく知らないのが、かえってよかった。
それでもなんとなく、同じ出身大学生の性なのか、物事の大枠のわかってしまう人がいると、なんだかうれしい。
妙な親近感がある。

地元に戻って、プライベートでもいろんな再会をした。

偶然入ったお店が、じつは同級生のお店だった。
じつは、幼馴染のお店だった。
こんなのも本当にあったしうれしい再会だった。
こーーーーんなに小さかったのに、今やお金を稼ぐ年齢だもの。
アルコール片手に会ってなかった期間の話で盛り上がる。
地元って、会わなかった期間も全然気にならない。さすがだと思う。

地元を離れたときは、携帯なんて持ってないし、こうやってまたつながれるのは本当にうれしい。

おかげで、近くでの1人飲みが楽しい。
母を毎日宅飲みに付き合わせると健康に悪いからほどほどにしないとだしね(笑)。

通勤すらも楽しい。
毎日通る道沿いのお店の店員さんが覚えてくれたり、管理人さんが毎日、声をかけてくれたり。
朝は挨拶で元気がもらえるし、疲れ切った帰りは「おつかれ~」に癒やされる。

今はそんな暇な仕事ではないけど、なぜか気持ち的な余裕がある。
週6勤務、前なら考えられないし、たぶん辞めてる(いや、本来ならやめるべき笑)。
やっぱり地元パワーなのだろうか。

地元に戻って、仕事をはじめ、幼馴染、地元のもの、ありとあらゆるものに再会した。
わたしもいろいろと再生した気がする。
今、ここを離れたいか離れたくないかって聞かれたら、迷わず離れたくないと返答すると思う。

コロナショックで、気持ち的にも身体的にも余裕のない人はたくさんいると思う。
4,000円の底上げで満足する人は果たしてどのくらいいるだろうか。
もう国にはなんも期待できないから、自分でどうにかするしかない。

実際に、地元に戻った人も多いと聞く。

わたしは、ありだと思う。
いつでもどこでも働けるのが、この資格の最大の武器だから。
看護師になったことに悔いることはない。
「やっぱ前のところが良いー!」ってなったら、帰ってくればいいと思う。

そうやって生きてけばいいんじゃないかな。
なんとかなるさ。

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fractale~satomi~
twitter:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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