100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 011

ST上昇型心筋梗塞の場合、兎にも角にも早期の血流再開が望まれます。病院到着から治療までの時間のことをドア・トゥー・バルーン・タイムと呼びますが、ではST上昇型心筋梗塞では何分以内が望ましいでしょうか?




Answer 011










90分以内

ドア・トゥー・バルーン・タイム(Door to Balloon Time:DTBT)は短ければ短いほうが、心筋虚血により受けた心筋へのダメージが少なくて済む可能性があります。そのため、DTBTにより患者の予後が変わってくることもあります。

DTBTの短縮のために、各施設ではさまざまな取り組みをされているのではないでしょうか。症状の聴取、より早期の12誘導心電図、カテスタッフ招集、採血・ルート確保などなど、救急室での一つひとつの処置・検査等を確実に、そして円滑に進めることにより、最大限のDTBT短縮を図ることが大切です。そのためには、関わる多くのスタッフの協力が必要になります。カンファレンス等にて意思の疎通をはかり、チームが一丸となって取り組まなければなりません。



図:『心カテのはなしをしましょうか』P46より



飛び交うワード



すてみ

和・表記:STEMI(ST上昇型心筋梗塞)
英・表記:ST-elevation myocardial infarction
読み:エスティー・エレベーション・マイオカーディアル・インファクション



でぃーてぃーびーてぃー/
どあ・とぅー・ばるーん・たいむ

和・表記:DTBT(病院到着から治療までの時間)
英・表記:Door to Balloon Time
読み:ドア・トゥー・バルーン・タイム







野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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