100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……
Quiz 023
心臓から血液を拍出するためにはいくつかのキーワードが重なり合い、全身にとって充分な血液が送り出されます。左心室まで届けられる血液の量を前負荷、末梢血管抵抗を後負荷とすると、もう一つのキーワードは何でしょうか?
Answer 023
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心収縮力
心収縮力は心筋本来の筋肉のチカラを表しています。心筋線維をしっかり伸ばして血液を力強く送り出すチカラを心収縮力といいます。
この心筋線維が伸びれば伸びるほど1回拍出量が増えることを表した曲線がフランクスターリングの曲線です。ただ、フランクスターリングの曲線が教えてくれることは、心筋線維の伸びが限界を超えると逆に1回拍出量は落ちてしまうということ、そして心収縮力には限界があり充分な血液を送り出すためにはほかにもキーワードが必要であるということです。
しっかりと心筋線維を伸ばすためには適切な血液量が左心室に入ってこなければいけませんし、目一杯のチカラで血液を送り出すことができる状態であったとしても、受け入れ側の末梢血管が締まった(後負荷が上がった)状況では、本来の収縮力のチカラを発揮することができません。
心臓が充分な血液を全身に届けるために、前負荷・後負荷・心収縮力この3つが揃ってはじめてチカラを発揮するのです。
図:『心カテのはなしをしましょうか』P73より
野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。