100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 027

冠動脈治療には3つの方法があります。ひとつは薬物治療で、これは主に動脈硬化の進行を食い止めるために行われるものです。次にPCIで、カテーテルにより狭窄・閉塞部位をを拡げる治療です。では、狭窄・閉塞部位を避けてその末梢側に血液を流す外科的治療のことを何というでしょうか?




Answer 027










冠動脈バイパス術(CABG)

CABGは、(多くは)開胸して、動脈血管と冠動脈の狭窄・閉塞した部位を避けてその末梢側を、採取した動脈血管または静脈血管を使ってバイパス経路を作る手術のことをいいます。

CABGには、人工心肺装置を使って血行動態を代行し、そのあいだに心臓をいったん止め、バイパスを作るオンポンプCABGと、心臓は止めずに心拍動下でバイパスを行うOPCAB(オプキャブ)の2つの方法があります。患者の状態に合わせてどちらかを選択することになります。

例えば、脳梗塞の心配がある場合(頭への血管に狭窄があるなど)は、人工心肺により脳梗塞を引き起こすリスクにつながるためOPCABが検討されます。逆にOPCABの場合、心臓の動きが大切になるものの、心臓の裏側へのバイパスなどは心臓をひっくり返した状態で吻合するため、血行動態が保てない心配があります。そのためオンポンプCABGが検討されることになります。

このように症例によってオンポンプCABGとOPCABのどちらでやるかが検討されることになります。

参考:『心カテのはなしをしましょうか』P86より





野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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