100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……
Quiz 034
ガイドワイヤーによって冠動脈穿孔したワイヤーパーフォレーション。心カテ中は抗凝固薬が投与されており出血が止まりにくくなっています。状況に応じてヘパリンを中和するプロタミンが投与されますが、投与開始から特に2つのことに注意しなくてはなりません。では、その2つとは何でしょう?
Answer 034
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血栓形成、プロタミンショック
抗凝固薬が効いている状況が続いていると、穿孔部からの出血が止まりにくくなります。そのためタイミングを見てプロタミンが投与されます。プロタミン投与が開始された場合、血栓の形成、プロタミンによるアナフィラキシー・ショックに注意する必要があります。
抗凝固薬を中和すると当然ながら血栓ができやすくなります。冠動脈穿孔部の止血のため、シースやガイディングカテーテル、冠動脈内のガイドワイヤーや必要なデバイスなどが体内に留置されたままになります。それらのデバイスの外や中に血栓が形成されやすくなります。
まずはガイディングカテーテル内に血栓形成されていないか十分に監視します。観血血圧波形をよく監視します。圧波形が鈍ってきたりしたら、カテーテル内に血栓が形成されたことを疑います。施行医に伝えてカテーテル内の血液等を吸引して血栓の有無を確認してもらいます。
また、デバイスの出し入れの際、造影剤等の注入の際には、Yコネのバルブを開いて、逆血が良好かどうかを毎回確認することが必要です。
ガイディング以外のデバイスも、血液に触れたものは体外に取り出したときに目視で血栓の有無を確認し、次に使用することも見据えて生理食塩液にて丁寧に洗浄・フラッシュしておきます。
図:『心カテのはなしをしましょうか』P99より
野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。