100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 035

プロタミン投与時には、血栓形成とプロタミンショックに気をつける必要があります。冷感・呼吸困難・発赤などの患者観察が重要になりますが、モニター上のバイタルサインで特に気をつけてモニタリングしなくてはならない2つの項目は何でしょうか?




Answer 035










血圧低下・脈拍異常

プロタミン投与時は、プロタミンの血管拡張作用による血圧低下に加えて、アナフィラキシーショック、肺動脈血管攣縮による肺高血圧症に注意する必要があります。そのため、プロタミン投与時は血圧モニタリングは重要です。

カテ施行中は観血血圧の連続モニタリングを注意深く観察します。カテ施行後の場合でも、まだシースが動脈に入っている場合は、圧ラインを接続し連続モニタリングできる状態が望ましいかと思います(ちなみにこの話をすると、カテ後にシースに動脈圧ラインを繋いでいる状態を気づかず、ドレープを剥がし危うくシースが引っ張られて抜けてしまいそうになってヒヤッとしたことをいまでも思い出します。「圧ライン繋いでるよー」「ドレープ剥がさないでねー」って情報共有すること大切ですね)。観血血圧がモニタリングできない状況のときには、投与前から投与中、特に投与を始めて数分から10分程度は特にNIBPのモニタリングを強化する必要があります。

また、プロタミン血管拡張作用による血圧低下とアナフィラキシーショックによる血圧低下を見極める必要があります。血圧低下を認めたときには患者観察を行い、ほかに症状がないかを確認します。発赤や呼吸器症状がある場合はアナフィラキシーショックを疑い迅速な対応を行います。



図:『心カテのはなしをしましょうか』P99より





野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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