100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 038

ステントは再狭窄の予防のため多く用いられてきました。そのおかげで再狭窄もずいぶん少なくなりました。ただ、ステントは生体にとっては異物であり、金属ということで弊害もなくはありません。そこで、ステントを用いず風船で再狭窄予防を期待するデバイスがありますがそれは何というでしょう?




Answer 038










DCB(ドラックコーティッドバルーン)

風船治療は、血管内腔を解離させるというのが狭窄を広げるメカニズムの一つになります。

解離が作られると、血管内腔にフラップと呼ばれる膜が剥がれたヒラヒラとしたものができてしまいます。このヒラヒラによって、血流がよどみ、血栓が形成されたり、このヒラヒラを修復しようと新しい組織が形成されます。

この組織がある程度修復された時点で組織形成が止まればいいのですが、これが過剰に増殖すると、その組織によって血管内腔が細くなり再狭窄につながってしまいます。

DCBは、風船表面に抗がん剤でも使われる薬がコーティングされており、新しい組織形成の抑制を期待して使われます。



図:『心カテのはなしをしましょうか』P105より





野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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