100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 043

PCIは手首(橈骨動脈)にシースを入れることが多いですが、肘や鼠径が穿刺部となることもあります。カテ後の安静を考えれば患者さんにとって橈骨動脈は比較的楽なのではないかと思いますが、では、そんな橈骨動脈でシース挿入困難が比較的起こりやすい現象といえば何でしょう?




Answer 043










血管攣縮(スパスム)

最近のカテーテルの多くは橈骨動脈穿刺アプローチで施行されています。橈骨動脈は比較的血管径が細く、シースサイズに限りがありましたが、カテーテルやデバイスの細径化が進みシースサイズを抑えられています。また、シース自体の工夫も進み、外径サイズよりもワンサイズ大きいカテーテルが入るようなシースが出てきたことも相まって、橈骨動脈で穿刺するがスタンダードになってきました。

一方で、橈骨動脈はほかのアプローチ血管と比較して血管攣縮が多く発生してしまいます。攣縮が起こっている状態で無理にシースを挿入したり、抜いたりすると激痛が起こり、血管内膜の損傷につながる場合もあります。

血管攣縮が起こっているかどうかは、まず最初に患者さんの痛みがサインになりますので、穿刺のときの患者さんの表情や訴えに注意するようにしましょう。



図:『心カテのはなしをしましょうか』P116より





野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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