100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……

Quiz 046

迷走神経反射は、穿刺のとき、胸や穿刺部の痛みを伴うとき、はたまた治療が終了した後など、強いストレス・痛みなどを伴う際に起こりやすくなりますが、では、迷走神経反射が起こったときに使う薬剤は何でしょうか?




Answer 046










アトロピン

迷走神経反射の、迷走神経はラテン語でvagus nerve(ヴァガス ナーヴ)と書きます。ヴァガスには「放浪」っていう意味があるらしく、日本語では「迷走」と訳されています。その名の通り迷走神経は延髄の下部から出て、頸部・胸腔内、そして腹腔内臓器の一部を支配するなど、身体のあらゆるところを放浪(迷走)している副交感神経なのです。消化管の多くを支配していることから、カテ出しが空腹時や食事後は特に注意が必要かもしれませんね。

迷走神経反射は徐脈からの血圧低下、脳血流低下による失神、腹部不快感などの症状が現れます。まずはモニタリングに注意しつつも、迅速にアトロピンの用意をします。投与の指示が出れば速やかにアトロピンを投与します。ただし、迷走神経反射は数分で症状が治るともいわれていますので、投与直前はいま一度症状、特に脈拍を確認した後、戻ってきていないか確認するようにしましょう。



図:『心カテのはなしをしましょうか』P122より





野崎暢仁

新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人

メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。

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