100文字以内で作られた問題文を読めば、答えになっている医療用語がサクッと覚えられる、学べる「クイズ100文字」。今回の問題文は……
Quiz 055
冠動脈造影のとき、Cアームをグルグル回していきます。Cアームからは目に見えない放射線が下側(患者さんの背中側)から出ています。放射線が出ているとき患者さんには近づかないことが鉄則ですが、では、LAO-CRA(術者反対側-患者頭側)のとき、患者さんの右手側と左手側、どちらのほうがスタッフ被ばくを多少減らすことができるしょうか?
Answer 055
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左手側
問題文の通り、放射線はCアームの下側から上側に向かって照射されています。その放射線はカテ台に当たり、患者に当たり、Cアーム上部にはそれでも透過されたものが戻っていきます。
放射線は基本的には直線でしか進みませんが、何かにぶつかったときには散乱する性質があります。私たち従事者はその散乱した放射線を浴びていることになります。
さて問題のLAO-CRAに振っているときは、Cアームの下側は患者さんの右手お腹方向にあります。そこから照射された放射線は患者さんの右手お腹側のカテ台に当たって、術者方向に散乱します。また、患者さんの体に当たっても同じような方向に散乱するため、従事者は左手側に立つと放射線はカテ台でブロックされ、患者さんにブロックされ、また湾曲して放射線は進まないため、Cアーム上部に近づかない限り、放射線被ばくから比較的守られるということになります。
ただし、放射線照射中は近づかないこと、できる限り距離を取ること、そして遮蔽をしっかりすることが絶対原則です。まずは、自分の身は自分で守りましょう。
野崎暢仁
新生会総合病院 高の原中央病院
西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)副代表世話人
メディカセミナー『グッと身近になる「心カテ看護」~カテ出しからカテ中の介助、そして病棟帰室後まで~』など多数の講演や、専門誌『HEART NURSING』、書籍『WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる! 』など執筆も多数。
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