2023年5月に『マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた』(詳しくはこちら)が発売されました。本書は、回復期リハ領域で患者さんの全体像を把握し、多職種チームで情報を共有するための必須のツールとなっているICFの活用実例を、マンガを使ってわかりやすく解説する一冊です。今回は本書に収載されている第1章「ICFのはじまりと変遷~なぜICF?~」を全文公開します。

●執筆
及川惠美子
一般社団法人日本ICF協会 代表理事



ICFの2つの活用法

ICFは、国際生活機能「分類」という言葉から、統計的な分類が主目的と思われがちですが、その活用法には次の2つがあります。

「生活機能モデル」としての活用法➡マインドセット的なツール
マインドセットとは「ものの見方や考え方、信念」を意味し、人の行動や結果はそれによって大きく左右されます。ICFの概念がもつ「しなやかさ」「細やかさ」を、共通言語化できるマインドセットとしてイメージしてください。

「分類」としての活用法➡評価・統計のための分類ツール
ICFは約1,500項目以上の分類コードと評価点をもち、それを用いた「コーディング」によって、生活機能の「障害」とその「程度」をとらえ、健康や関連状況を理解・表現し、科学的な統計データとして比較検討を可能にします。

ICFの抱える課題

ICFは、どちらの活用法も「共通言語」として有益なツールで、世界ではその活用ツールが研究・開発されていますが、残念ながらそれぞれの目的や目標が異なるため、汎用性や利用方法など多くの課題を抱えています。

書籍紹介

マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた

マンガと図説で見てわかるICF(国際生活機能分類)の使いかた
回復期リハスタッフの“わからない”が“わかる”に変わる!
「生きること」へのリハビリテーションに向けて


アセスメントとプランの視点が身につく!
ICF(国際生活機能分類)は、回復期リハ領域で患者さんの全体像を把握し、多職種チームで情報を共有するための必須のツールとなっている。しかし、完全に使いこなせているかと訊かれるといまひとつ自信が持てない…。そんなICF活用の実例を、マンガを使ってわかりやすく解説する。
▶本書の書評を読む

発行:2023年5月
サイズ:B5判148頁
価格:3.630円(税込)
ISBN:978-4-8404-8176-2
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申し込み受付は2023年8月23日(水)まで!


<プログラム>
■ICFの理念と本質
■リハビリテーションとICFの関係
■現代に求められる「生きること」の意味
■わかったようで分かっていない『参加』の大切さ
■リハビリテーション支援のためのロジカルテクニック

日時:2022年8月29日(月)10時30分~12時
申し込み締切:2022年8月23日(水)
※予定数に達し次第 受付終了となります
対象:医療従事者
受講料:無料

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