この連載は、なかなか総合的に語られることが少ないIVR看護について、標準看護計画にあてはめてみることで、その価値と魅力を再考(・・)し、「やっぱりIVR看護って最高(・・)!」と読者といっしょにサイ発見するための試みです。




もし、自分がIVRを受けることになったら、どうでしょう?

「私、熟知しているから、全然平気!」となるでしょうか?

私はビビリなので、「局麻のとき、迷走神経反射が起こったらどうしよう」「鼠径部からのアプローチだったら恥ずかしいな」「どの先生がするのだろう? あの先生は少し雑だから嫌だな……」など、知っているからこそ、「あんなこと」「こんなこと」を想像して不安になると思います。

不安には2種類あると言われ、一つは今の私のように知っているからこその「具体的な不安」、もう一つは知識がないから抱く「漠然とした不安」です。

いずれにしても、不安を抱えストレスな状態が長く続くと、危機的状況となります。危機を回避するためには「現実の知覚」「社会的支援」「適切な対処機制」が必要であると言われていることから、患者さんの不安に寄り添い、患者さんが現実を受け入れて適切な対処機制へ進めるようにケアしていく必要があります。

籏持1)や野水2)は、心臓カテーテル検査・治療を受ける患者さんの不安として、疾患の原因、検査方法、検査・治療に関連する痛み、心臓への影響や合併症、検査後の安静時間、検査・治療の結果、治療後の生活と管理、今後の治療、病気の再発、入院費用や仕事などの社会的状況や今後の生活を挙げています。

今回は、特に情報不足や、不慣れな環境や治療に対する不安を考えていきたいと思います。



次回は、計画についてです!

▶「#005|不安:後編」を読む

【参考文献】
1)籏持知恵子ほか.心臓カテーテル検査を受ける患者と看護に関する実態:文献的考察と課題.日本看護学会誌.16(1),2006,238-44.
2)野水里枝ほか.カテ室看護師による心臓カテーテル検査・治療を受ける患者への術前訪問の意義:患者不安の分析と不安軽減効果.日本心血管インターベンション治療学会誌.4(2),2012,133-9.
3)土倉愛子ほか編著.心に寄り添う手術看護.東京,医歯薬出版,2014,14-7.
4)松田重三.検査を受ける患者への精神的ケア①極度の不安を抱いている患者への援助.臨牀看護.16(3),1990,329-32.




野口純子
厚生中央病院 INE .MBA.キャリアコンサルタント
『みんな誰かの大切な人』をモットーに短い時間の中でも信頼関係を築き安心してIVRが受けられるように『かきくけこ』の実践を心がけています。(か…関心を持つ き…気づきのアンテナを張り巡らせる く…苦痛を知り軽減できるよう支援する け…敬意を持って接する こ…固定観念を捨てる)。

2024年7月25日(木)~27日(土)に札幌にて開催される「第32回日本心血管インターベンション治療学会学術集会;CVIT2024」にて、本連載を企画いただいた野口先生・村瀬先生のおふたりが座長・演者を務められる『メディカルスタッフ シンポジウム 12 シリーズ! 「カテ室の看護記録を再考する」』の講演がございます。奮ってご参加くださいませ!
詳細はコチラから


第24回IVR看護研究会
IVRナース 仕事の流儀
~目指せ!働きがい改革~

・日時:2025年3月1日(土)
・場所:東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス
・IVR看護研究会HPはコチラから

循環器ケアの専門誌

『ハートナーシング』
▶最新号の特集・目次はこちら
循環器ケアの必須テーマをどこよりもわかりやすく解説して大好評!『ハートナーシング』は4号よりリニューアル!さらにパワーアップして、新人指導から中堅学びなおし、最新知識へのアップデートまで幅広く役立つ情報をお届けします。
< 特集は、イラスト&コンパクトな解説で基本を理解し、リフレクションの場面などで後輩・新人指導にも活用できる「サッとわかる!」ページと、中堅ナースが知っておきたい専門知識をかみくだいて解説した「じっくり理解!」ページの2部構成です。最新・注目のトピックを解説するエクストラ特集も必見です。
新連載もスタート!専門性の高い内容や院内の研修・教育などにも役立つ内容で、より深い学びを求めるナースや、全体のレベルアップを考えたいご施設での購読もオススメです。