この連載は、なかなか総合的に語られることが少ないIVR看護について、標準看護計画にあてはめてみることで、その価値と魅力を再考(・・)し、「やっぱりIVR看護って最高(・・)!」と読者といっしょにサイ発見するための試みです。




IVRに伴う放射線皮膚障害に対する看護問題について考えてみましょう。




看護計画を立てていきます。




カテーテル治療・検査を実施する場合、主治医から患者とその家族に治療の必要性、方法および合併症に関する説明のほか、放射線被ばくによって生じる皮膚障害などの「確定的影響(組織反応)」とその防止策、皮膚障害が発生したときの治療方法についてきちんと説明されているかどうかを確認します。また治療・検査後に皮膚線量がしきい線量を超えた場合は、検査後に主治医から患者と家族にその旨の説明をしてもらいます。治療後はカテ室看護師からしきい値を超えた皮膚線量と照射部位を病棟看護師へ申し送り、皮膚観察を実施することが必要です。被ばく線量によっては晩発性障害発生のリスクも考えられます。退院後は外来において皮膚観察が継続できるようにしてください。

▶「#008|皮膚統合性障害のリスク状態[放射線被ばく]:前編」を読む

【参考文献】
1)日本アイソトープ協会.IVRにおける放射線傷害の回避.http://www.icrp.org/docs/P85_Japanese.pdf(2024/7/22閲覧)
2)日本アイソトープ協会編集.改訂版 看護と放射線―放射線を正しく理解した看護職であるために. 東京,丸善出版,2021,196p.
3)日本インターベンショナルラジオロジー学会.IVRに伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドライン.https://www.jsir.or.jp/wp-content/uploads/2015/03/ivr_hifusyogai_GL.pdf(2024/7/22閲覧)
4)日本循環器学会.2021年改訂版 循環器診療における放射線被ばくに関するガイドライン.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Kozuma.pdf(2024/7/22閲覧)




増島ゆかり
日本医科大学武蔵小杉病院/看護部 放射線室/放射線看護専門看護師、INE(インターベンションエキスパートナース)
思い返せばIVRに携わるようになってはや10年。何年たっても半人前ですが、やっぱり“IVR看護サイコウ”と思う今日この頃です。もっともっと多くの方々に“IVR看護”の醍醐味を知ってもらいたいと思っています。

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