はじめまして

2021年9月、私は看護学部時代の同級生2名とともに、一般社団法人Nurse for Nurse(以下、NfN)を立ち上げました。
NfNは、時代や社会の変遷とともに変化する看護職へのニーズや課題に目を向け、「Connect and Discover(つながりと発見)」を軸とした看護職のための看護職によるキャリア開発支援事業を展開します。
Connect and Discover? 看護職によるキャリア開発支援?……いったい何を目指し、何をするのでしょうか。
本連載では、法人設立から現在の活動、社会課題解決への挑戦の第1歩として始めた事業の紹介を全3回でお伝えします。
第1回目は、NfNの設立背景と理念をご紹介します。

変化する看護職へのニーズや課題

NfN設立のきっかけは大きく2つあります。
1つ目は社会背景の変化と看護職へのニーズの変化です。
私たち看護職は看護のケアを必要としている人々の命だけではなく、その方々の生活を支えるためにさまざまな場所で活動しています。
しかし近年、社会の看護に対するニーズは、少子高齢化、デジタル/IT化、国際化などを受け、日々刻々と多様化・複雑化しています。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響による看護に対するニーズの変化は現在進行形で続いています。

そして、時代や社会の変遷とともに私たち看護職がおかれている状況も変化をし続けています。
少子高齢化とともに看護職の平均年齢も上がることから、例えば育児だけでなく介護をしながら、または自分・家族の病気や障害と向き合いながら働く看護職、人生100年時代にプラチナ・ナースとして定年退職後の活躍の場を探す看護職もいます。

このような看護に対する社会的なニーズや看護職自身が抱える課題が変化するなかで、社会に対してより良いケアを継続的に提供し続けるためにはどうしたらよいのか、看護職同士がキャリア開発においてお互いに気軽に助け合える持続可能なシステムが必要不可欠だと考えました。

看護職がもつ情報や経験の集結を目指して

2つ目は、個人的な話ですが、自分自身の復職までのプロセスで実感した想いからくるものです。
私が数年の離職期間を経て復職を考えたとき、ちょうど新型コロナウイルス感染症のパンデミックと重なり、看護職の地位、女性の活躍、この先の看護について、国内外の状況を踏まえてさまざまなことを考えました。
さらに有益な情報を収集することの難しさ、情報収集しているうちに時間ばかりが過ぎた経験があります。
信頼できる情報がなかなか見つからない、直接話を聞いてみたいがなかなかできない。
看護職1人ひとりがもっている情報や経験を集結させ、キャリア開発においてタイムリーに助け合うことで、新しいことでもゼロから始めるのではなく、より早くさまざまな社会課題の解決につなげられるのではないかと考えました。

Goal・Vision・Mission

NfNは2021年1月から立ち上げ準備を始めました。
離職中の方も含めさまざまな看護職の方々の声をヒアリングやアンケートを通して聞かせていただきながら3人でのディスカッションを重ね、NfNの理念を明確にしていきました。
NfNが目指すGoalは、社会において看護および看護職に対する投資を促進し、看護職の活躍によって社会の前進に寄与することです。
Visionとして、看護職同士が助け合うことでローカルおよびグローバルな課題解決を導き、人々の健康が維持・増進される社会の実現を掲げています。その実現のため、看護職同士が分野横断的につながり、新たな発見を通してキャリア開発ができるような機会を提供することをMissionとしました。

ロゴに込めた想い

ロゴは私たちの想いを形にできるよう、デザイナーと何度もやりとりをさせていただきながら作成しました。
丸い地球上の各地に点在する看護職(点)が「NfN」を通してつながり(Connect)、助け合うことでコミュニティ全体が右肩上がりに上昇していくイメージを描いています。
複数の色合いのグラデーションは新しい分野や世界の発見(Discover)、解決策を見いだしていくと同時に自分自身を発見することを表すとともに、看護職のさまざまな背景を尊重するDiversity, Equity, and Inclusionの概念も含んでいます。
よって、Nurse for Nurseの「N」は右肩上がりのデザインとし、タグラインをConnect and Discoverとしました。

看護職は対象者の方と笑ったり、時には悲しんだり、それぞれがさまざまな場所で尊い経験をしています。
しかし、いつも悩みがないわけではありません。
キャリアのなかでは悩みながら歩みを進めたり、時には立ち止まったりすることもあるでしょう。
そんなときにさっと助けられる、そっと支え合える、NfNがそんな看護職のための看護職の輪になっていくことを願っています。
NfNでは看護職がそれぞれの知見や経験を共有し合える場所と機会を提供し、それらがさまざまなローカルおよびグローバルな社会課題解決につながることを願っています。
Let’s Connect and Discover!

プロフィール:門元記子
一般社団法人Nurse for Nurse代表理事
看護師・保健師、公衆衛生学修士。2005年3月、慶應義塾大学看護医療学部卒業。国家公務員共済組合連合会虎の門病院勤務を経て東京大学大学院公共健康医学専攻にて修士号取得。その後、国連人口基金(UNFPA)ジンバブエ事務所で勤務したのちに世界保健機関(WHO)ソロモン諸島事務所にて勤務。2021年にジョンズ・ホプキンス大学のコミュニケーション学修士号取得、一般社団法人Nurse for Nurseを設立。

---------------NfNからのお知らせ---------------

NfNでは看護職の方による会員登録を受付中です。
会費:入会金3,000円・年会費3,000円
お申込みはこちら→https://members.nursefornurse.org/signup/

ご登録いただきます情報の一部は会員同士共有することになります個人プロフィールの内容として反映されます。
よって、ご入力項目は多めですが、皆様方の大切なプロフィール情報になり、他の方々にとっては有益な情報ですのでご確認いただきながら入力をお願い致します。
Nurse for Nurseは看護職の皆様にとって安心・安全な会員サービスを提供するために紹介制による会員登録を導入しています。
入会フォームにはご紹介者の会員IDをご記入いただきますが、ご紹介者がいない場合でもお申し込み可能です。
フォーム送信後に一度ご連絡をさせていただく場合がございますことを予めご了承ください。

皆様からの会員登録をお待ち申し上げます!

NfNについて詳しくはこちら→https://www.nursefornurse.org/