看護師「はなちゃん」と「きぶな」の素朴なケアの疑問に、上田先生がエビデンスをもって回答します。日頃の看護ケアにも、研究論文があり、根拠があります。今回は「術後の発熱の解熱薬使用」について調べてみます。

2024年6月に東京と大阪で上田先生を講師に迎え、会場セミナーが開催されます(詳しいプログラムはこちら)。ぜひご参加ください!










根拠①

アセトアミノフェンの解熱効果はNSAIDsと同等か若干劣りますが、そもそも解熱薬投与は予後に影響を与えないことがメタ解析※1で明らかになっています。


Holgersson J, et al. Fever therapy in febrile adults: systematic review with meta-analyses and trial sequential analyses. BMJ. 2022 Jul 12;378:e069620. PMID: 35820685

根拠②

NSAIDsには消炎作用がありますが、アセトアミノフェンにはほぼありません。


Plaisance KI, et al. Antipyretic therapy: physiologic rationale, diagnostic implications, and clinical consequences. Arch Intern Med. 2000 Feb 28;160(4):449-56. PMID: 10695685

根拠③

NSAIDsは腎障害、胃腸障害が起こりやすいです。アセトアミノフェンは低栄養やアルコール使用障害の患者では肝障害起こりやすいです。


Plaisance KI, et al. Antipyretic therapy: physiologic rationale, diagnostic implications, and clinical consequences. Arch Intern Med. 2000 Feb 28;160(4):449-56. PMID: 10695685








第1選択はアセトアミノフェンが良いかと思いますが、関節炎など消炎作用を期待する場合や、副作用の観点からNSAIDsを選択することもあります。




※1 メタ解析:複数の研究を解析することで、全体の傾向を把握する方法。一般的に信頼性が高いとされる。

※本記事内容は上田先生が文献から考察しまとめたものです。適宜、関連するガイドラインなどもご確認ください。
※本記事の内容によって不測の事故等が生じた場合、著者および当社はその責を負いかねますのでご了承ください。




上田剛士
洛和会丸太町病院 救急・総合診療科 部長
メディカ出版のセミナー『バイタルサインのみかたとフィジカルアセスメント』『「悪化させない」「突然死を防ぐ」高齢者の急変予防』の講演をはじめ、『Dr.上田の もうダマされない身体診察』など執筆も多数。年間約3,000本の論文をチェックする。エビデンスと病歴と身体診察を大切にして救急・総合診療医として活躍している。







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2.肺 の診察
・上気道閉塞を見抜け!
・呼吸音の低下があれば…
・crackles はタイミングで分けよう
・どこで・どんな音がするのか。聴診・打診でこんなにわかる!

昼食(各自でご用意ください)

3.心臓 の診察
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・慣れればカンタン! 頚静脈圧を見られるようになろう
・頚静脈怒張! どんな疾患を考える?

4.お腹 の診察
・怖い病気は車に乗ればわかる?!
・波のない痛みで、冷や汗は緊急疾患
・肝硬変を一目で見抜くワザ
・聴性打診で導尿すべきかわかる

5.その他 の診察
・転倒患者でみるべきポイント
・“単なるせん妄”と“ヤバいせん妄”
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6.質疑応答
・講義中の質問・日ごろの疑問、解決しましょう。





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発行:2019年10月
サイズ:A5判 240頁
価格:3,080円(税込)
ISBN:978-4-8404-6927-2