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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「思い出の勉強会」です。

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勉強会って嫌ですよね。
私、自分で開催する勉強会は好きなんですが、職場でやる勉強会ってどうも好きになれなかった。
仕事が終わって、もうへとへとなのに、そこから帰れず。
会議室みたいなところにみんなが集まり1時間ぐらいの勉強会。
新人のうちは本当に嫌でした。
もうなんていうか、勉強会の内容を入れられるほど、頭にゆとりがないんですよ。
ただでさえ業務を覚えるだけでも大変なのに、さらに勉強会なんて頭がもうオーバーヒートしてしまいます。
 
5月下旬か6月頭ごろ。
西日の差し込む会議室で眼科の勉強会がありました。
当時働いていた病院は脳外科と混合病棟が一緒になっていて、私は脳外科でしたが時として混合病棟の患者さんも入院してきました。
毎日脳外科の勉強ばかりしていたので、この日は目薬の点眼の仕方という内容でしたが、なんかとても気持ちが楽になったいうか、新しい風が自分のなかに入り込んできた感じでした。
「そっか、眼科の先生ってこうやって目薬を処方して、こういう理由で目薬をさすのか」と。
日々ADLの低い患者さんの看護ばかりをしていたので、入院してきてほんの数日で退院していく眼科の患者さんを見ては全然世界が違うなと思っていました。
なんか、そっちで働く看護師さんが羨ましく思ったりもしてました。
このときの勉強会は今でもすごく鮮明に覚えています。

そんな感じで、嫌いだけど参加すれば新しい発見のある勉強会。
その後は自分が発表する側になることが多くありました。
また、その後もTwitterで知り合った人たちを中心として、勉強会をすることになりまして、なんか先述の「新しい発見」をしてもらえたらなと思って実施してました。

ただ、コロナの世の中において「集合研修」というのが難しくなりました。
その代わりにオンラインというものに置き換わりましたが、勉強会ってみんなで集まってやるライブ感ってとても大切だと思うんです。
その空気感とか、相手が理解してない、もしくは全員がわかったというときの空気感。
ああいうのが、オンライン勉強会だとないんですよね。
不思議なもので「理解できた!」っていう空気感は、リアルに人が集まったときだけしか生まれないんですよ。

もしも、いまコロナじゃなかったら。
全国いろんなところで勉強会をしていたかもしれません。
それと同時に、居酒屋で数人で集まりわいわい飲みつつ、楽しい場にもかかわらず、看護について語るめんどくさいおっさんにならなかったことに安堵しています。

いろんな人と顔を寄せ合う集合研修。
また行える時代が来るといいな。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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