「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「思い出の勉強会」を綴っていただきました。
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何度か参加したことはあったけど、特別何かを感じたことはなかった。
1年目のわたしが感じたことなんて、たかが知れていたし、そもそも重い人は受け持たされないから、ナースコールで呼ばれたときにちょこっと対応した程度のかかわりだった。
いろいろと発言している先輩方はすごいなと、それくらいしか思っていなかった。
でも、初めてターミナル患者さんを受け持ち、そして看取ったときの、そのデスカンファレンスはまったく違った。
外科病棟の特性上、おおむね患者さんは元気になって退院される。
もちろん、手術の大小もあるし、入院期間の長短もあるけど。
そんななか、早い段階で余命宣告をされた方を受け持った。
病院にいる人なら想像つくかもしれないけど、早めの宣告だと、その段階では、ぱっと見、状態が良くないことがわかりにくい。
ADLは自立しているし、頭もクリア。
見た目への影響も大きくない。
「こんなに元気に見えるのに、本当に余命半年?」と、一瞬、良くなるほうに期待を寄せては、検査結果を見て愕然としたり、日を追うごとに、ちょっとずつ悪い変化がみえたり、現実を突き付けられる。
病は本当に残酷だ。
不可逆的な悲しい変化は続く。
だんだん量の増えていく麻薬と反比例するように、食事摂取量が減っていく。
ADLはいつの間にか、全介助になる。
その日の受け持ちで一番時間を要する相手になる。
自分が受け持ちである以上、自分の勤務時には毎回受け持つことになる。
状態が変わり訴えも変わってくるし、看護計画も更新頻度があがる。
段々と近づくそのときに、気持ち的な余裕がなくなる。
意思疎通が取れていたころの患者さんを思い出しては、自分の行動を振り返り、後悔する。
わたしじゃなかったら、もっと良い終末期を過ごせたんじゃないか。
葛藤は最期まで続いた。
重くて逃げ出したくなることもあったけど、ちゃんと最期まで向き合った。
デスカンファレンスは、気持ちが落ち着いたころに開催された。
そのときの悩みやターミナル患者を受け持つ重さ、そのときの思いを話した。
「1年生だからしょうがないよね、慣れてくるから!」
などの言葉をいただくのかと思ったら、意外にも「それね~、何年たっても変わらないよね!」「そうだよ~、日々葛藤だよ~」とのフィードバックだった。
2年目の先輩も、中堅さんも、役職さんも。
「次はもっと良いかかわりをするために、それぞれ振り返ることが大切だよ!」
「こっちの気持ちは絶対に伝わってるから大丈夫!」
もうなんかいろいろと気持ちが軽くなった。
デスカンファレンスの目的は、看護師のメンタルケアも含んでいる。
それを体験できた60分でした。
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三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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