▼バックナンバーを読む

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「オンコールの日の過ごし方」を綴っていただきました。

---------------------

オンコールの電話の音って気付くように大きめだし、バイブも鳴るし、ちょっと怖くないですか?
オンコールの電話が鳴ること自体かなりのプレッシャーなのに、その音とバイブでさらにびっくりする。
とにかくわたしはオンコールが苦手だった。
(というか、こればっかりは苦手な人多いですよね、きっと)

ステーションの状態により、呼ばれそうな日、呼ばれなさそうな日はなんとなくわかってくる。

“きっと”今日は大丈夫だろう。
“きっと”今日は連絡来るだろうな。

そんなことを考えながら帰路につく。

なんだかんだ、高確率で予想は当たる。
つまり、普通の日と同じように飲みに行ったりしても、何も影響がない可能性が高い。
しかし医療に絶対はない以上、それをするわけにはいかない。

なかにはいつでも電話に出られる状態にして出かける人もいるけど、わたしにはできなかった。
どうせならオンコールの日にしかできないことをしよう、と切り替え、とりあえずおうち時間を楽しむことにした。
それまでは、時間さえあれば予定を限りなく詰め込むタイプだったので、急に自宅で過ごす時間が増えることにはじめは戸惑った。
結局、ラインしたり電話したり、だらだらと誰かとつながる時間をすごしていた。
が、それじゃあいつもの過ごし方とあまり変わらない。

あらためて家で1人でできることを考えた。
“時間があったらやろうと思ってたこと”のほとんどは、結局“やる気のないこと”だということにも気付いた。
まずは、それらに関連するものをすべて処分した。
そうしたら、部屋がスッキリした。

なんだか気分も良かったので、断捨離を継続しつつ、普段掃除しないところを徹底的に掃除したら、気持ちの余裕も出てきた。

すると、やりたいことがポンポン出てくるようになった。
読書、文章を書くこと、動画三昧、手の込んだ料理……などなど。

その日の気分によって時間を過ごすうちに、オンコールの日だけでは足りなくなり、予定の断捨離までするようになったのか、予定も無理に入れなくなっていった。

これがなかったら、のちにやって来るコロナ初期の長い緊急事態宣言を耐えられなかったかもしれない。

きっかけはオンコール。
好きではないけど、思わぬ成果をもたらしてくれた。

呼ばれる呼ばれないで、心身の負担がまるで違うオンコール番。
とにかく呼ばれないようにするには、日ごろのケアをしっかり行う。
これが相手も自分も守る、唯一の道ですね。

編集部からのお知らせ

フラクタルのお二人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてTwitterでご投稿ください。

▼バックナンバーを読む

-----------------------------
fractale~satomi~
twitter:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

about fractale
https://fractale3.com/satomi/