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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「この時期だから思い出すこと」です。

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3月もあっという間に終わり、新年度がやってきます。

なんでしょう、この時期。
胸がざわついたり、落ち着かない感じなのは私だけでしょうか。
よく「足が地に着かない」と表現しますが、私はこの時期こんな感じになります。

とにかく「不安」になりますね。
なにに不安かは言語化できませんが、暖かくなるこの時期、暖かさが不安感を増します。

3月って、いろんな出来事がありますよね。
春休みで進学する時期だったり、引っ越す時期だったり。
新しい仕事に夢や希望をふくらませる時期でもあります。

私は新しい環境に慣れるまで、とても時間がかかります。
たぶん、人一倍不安を抱えて新しい仕事に入職していました。
「そんな風に見えない」とよく言われますが、何度も通勤経路を確認したり、持ち物を確認したりと、すごく不安です。

あと、私は人の顔と名前を一致させるのがすごい苦手なんです。
だから、あいさつされると、誰も彼も「同じ部所の人」って思ってしまいます(笑)。
もう患者さんなのか職員なのかも、外では見分けがつきません。
挨拶されても誰なのかわからないときがあります。
これも不安になる要因ですよね。

でも、環境が変わる、仕事が変わるって期待があるじゃないですか。
「この場所で働く」「この地で生活する」。
期待と不安の両方が存在すれど、胸は弾んでいる気がします。

 看護師になった春。
 2011年3月でした。
 東日本大震災の年。
 私は福島で被災したので、生活が一変しました。
 看護師国家試験を同じ会場で受けた人も、何人か命を落としたとニュースで聞きました。
 あのときも不安の連続でした。
 そんな、顔がわからないとかで悩むレベルとは大違いの、自分の生活もどうなるかわからないのに、新人として病院で働いたんです。
 もう、精神的にボロボロでした。
 ただでさえ病むことの多い看護師の新人時代。
 右も左もわからないのに、業務や疾患の勉強など、覚えることは増えていく。
 日々、心が弱っていきました。
 それでも看護師として続けてきたのは、不安と向き合い、大変だったけど乗り越えてきた今があるからですかね。
 
2024年の春。
今は看護師を仕事として続けるかどうかで悩んでいます。
もしかしたら、しばらく看護師はお休みするかもしれません。
しがらみはどうであれ、自分のことは自分で考えないとなって思っています。

今年から働き始めるみなさま、環境の変わるみなさま。
一緒に悩みながらも前向きにいきましょうね。

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fractale~mizuki~
twitter:mizuki@おぬ12年目看護師(@c_mikzuki

乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。 

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