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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「なんでこんなにこだわっていたんだろうということ」を綴っていただきました。

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毎日毎日とても暑いですね。
みなさん、体調はいかがでしょうか。

メルボルンの友人たちのSNSを見ると涼しそうで羨ましくなります。
ちなみに、真冬はあったかそうで羨ましくなります。
ないものねだりですね。

さて。
今回のテーマは「なんでこんなにこだわっていたんだろうということ」です。

メルボルンから帰国して就活を始めたとき、わたしは「病院」を探していました。

せっかくなら英語を使えるところがいいなあ。
外人さんの多い地域にしようかなあ。
ICUがいいなあ。

漠然と派遣看護師をやりながら、のんびりと。

そんななか、偶然なのか必然なのか、ひょんなことから知り合った人が、まさかの看護師でした。
どうも人手不足のようで、一緒に働かないかとそれはそれは熱烈に勧誘されました。
しかも、おもしろいことに海外とのつながりがあるところでした。
探していてもなかなかなかったので、とても魅力的でした。
でも、わたしは悩んでいました。
理由は、看護師は看護師でも“訪問”看護師だったからです。
当時はなんとなく病院以外で働くことを躊躇していました。
ただ、せっかくのご縁なので見学という形で同行訪問をさせていただくこととなりました。

実際の現場をみてびっくり。

利用者さんの表情がよすぎませんか。
看護師含むスタッフの表情がよすぎませんか。
家族との関係性がよすぎませんか。

業務はもちろんやることは多いし、暇ではない。
でも、なんだろう。
その周りを流れる空気がまるで病院とは違う。
心地よい風がすぅ~っととおっている感じ。
まさにこれが“生活”の場か。
その世界にわたしも飛び込みたくなり、入職を決意しました。

結論からいうと、色々とあった事業所だったので、2年未満で退職することになりました。
でもその2年で、わたしの世界は大きく変わりました。
地域のつながり、訪問に携わる人とのつながり、企業とのつながり、海外とのつながり。
訪問看護を通して、再び仕事を楽しいと思えるようになっただけではなく、いろんな人やモノとどんどんつながることができました。
そしてそのつながりが別のところへつながり、今のわたしがいます。
人によっては病院勤務でも広げられますが、わたしはそうではなかったので、思い切って決断してよかった。
そうでないと、きっとこうやってものを書いたりしていないと思います。

病院から訪問への初めの一歩を踏み出したことで、大きく変わったわたしの人生。
あんなに病院にこだわっていたのに今となっては病院で働くという選択肢はありません。
なんとも不思議なものです。

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fractale~satomi~
twitter:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

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