看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「非医療者に医療のことを説明した話」です。
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早いもので、もう今年も2カ月となりました。
ちょうど1年前、私は病院を退職し、1カ月間なにもしない日々を過ごしました。
なにもしないって、仕事しているときはそのような日々に憧れますが、日々なにもないと忙しかった日々を思い出し「早く仕事したい」って思ってしまうものです。
本当に人間って欲が多いなって思いました。
さて今回は「非医療者に医療のことを説明した話」がテーマです。
このテーマ、なかなか複雑ですよね。
いろんなことを考えてしまいました。
「非医療者『が』医療者に……」なら、ここ数年SNSで話題ですよね。
とくに最近はワクチンに対する必要論、不要論が多く飛び回ってます。
本当に有名な先生がSNSで医療について話すと、非医療者が自分の考えている知識を、なにかに結びつけて反論する。
謎な理論や承認されてない文献を引っ張り出して、それがすごいと称賛され、拡散されて関係ない人まで巻き込まれる。
この話のすごいことって、有名な大学の教授に平気で反論すること。
いや、なかなかできなくないですか?
同じ病棟で働く医者にもそこまで強く反論できないじゃないですか。
なんかすごいですよね。
まあ、そこまで楽に「誰かにアクセスできるようになった」時代になったんでしょうね。
僕は昔から「餅は餅屋」という言葉が好きで、やっぱり何事も「専門家」に任せたほうが良いんです。
問題が起きたとき、専門家はその答えを導き出すために、さまざまな経験や知見を元に答えを導き出します。
簡単に答えを出すことって誰にでもできるんですが、その答えに対するリスク、根拠もしっかり出すのが専門家です。
それらをすべてすっ飛ばして、自分の思ってることが世の中の総意だと言うのが、いまの一部の非医療者ですよね。
話を戻しまして「非医療者に医療のことを説明した話」。
私は看護師として患者さんに話すのが仕事ですので、一応そのときは医療の専門家です。
そのとき適当な知識を伝えるわけにはいかないので、根拠を持って説明します。
このとき役に立つのが、製薬会社のパンフレット。
結構わかりやすいのが多いんですよね。
薬以外の説明に使えるものもあります。
今回のコラムの写真、なんの写真かわかりますか?
これ、茶畑なんです。
この前お茶畑の中にあるカフェに行ったんですが、この茶葉を摘むことって想像できますよね、でも、放置したらどうなると思います?
これ、放置したら上に伸び続けて木になるそうです。
手入れをしてない茶畑も見れましたが、たしかに上に伸びてて木になってました。
まさか木のように成長するとは思いませんでした。
たぶん、こういう感じだと思うんです。
看護師から患者さんが説明を受ける瞬間って。
ある程度は知っているけど、完全には知らない。
ラストワンマイルの知識の提供が、相手にとって「なるほど」ってなる。
こういう正しい知識の提供が専門家としての役割ですよね。
日々の仕事で患者さんや利用者さんに説明すること。
何気なくしていますが、専門家なので、正しい知識を日々アップデートしていきたいものです。
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fractale~mizuki~
X:mizuki@おぬ14年目精神科看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
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