▼バックナンバーを読む

看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回は「教えることで学んだこと」を綴っていただきました。

---------------------

こんにちは。
日に日に時の流れがはやく感じるようになり、びっくりしています。
もう2月ですって。
このままあっという間に夏が来て、また冬になるんでしょうね。
2026年はすぐそこです(笑)。

さて、冗談はさておき。
今回のテーマは「教えることで学んだこと」です。
インプットよりもむしろアウトプットのほうがはるかに知識の定着には良いことは、教えたことのある方ならピンときますよね。
これについてはmizukiさんも記載していました。
なのでわたしは別視点で“思考の癖”についてのお話をします。

訪問看護は看護師や学生の見学が多い印象です。
とくに入職希望者の同行はよくありました。

わたしも訪問看護を始めて2、3カ月くらいのときに、入職希望者の方の同行訪問をしました。
訪問する利用者さんの情報をお伝えしたときに、こんな質問をされました。

「この方の原疾患って何でしたっけ」

……。

“心疾患なんだけど、何だったっけ……”

本当に恥ずかしながら、1番の基本であり絶対に欠いてはならない部分をわたしは見落としていたのです。
正確には“記憶から消えていた”のですが。
ものすごく焦ったし、情けなくなりました。
同時に、こんな状態で訪問してたんだと思うと恐ろしくなりました。

訪問したてのころはおさえていたんですが、訪問にも慣れてきて訪問での観察ポイントを覚えてしまったらいつの間にか忘れてしまっていました。
もちろん観察ポイントはおさえているので何系の疾患かはわかっていたのですが……。あ、もちろん全利用者ではないですよ!

それをきっかけに自身の行動や利用者さんの情報をお伝えするときのことを振り返りました。
訪問を利用されて長い方が多かったので、訪問内容、生活、性格がメインになっていました。
疾患はほんの一部というか。
はじめのころはお薬も把握できていたのに、そのときにはいろんな利用者さんと混同していることもわかりました。

また、日々の訪問での利用者さんとの会話も生活寄りになっていました。
とくに、訪問看護が終わった後は“楽しかった!”“来てくれてよかった!”と感じてほしいと思っていたので、疾患などのマイナスな話は無意識のうちに避けてしまっていたのかもしれません。

このことに早い段階で気付けて本当に良かったと思います。自分の癖や慣れってこわいですね。

本当に教えることで知識の定着だけでなくいろんなことに気付かせてくれるな、と思います。
いつまでもアウトプットの機会は失わないようにしていきたいものですね。

編集部からのお知らせ

フラクタルのお二人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてXでご投稿ください。

▼バックナンバーを読む

-----------------------------
fractale~satomi~
X:さとみ(@minisatominy

三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。 

about fractale
https://fractale3.com/satomi/