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看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。

「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。

今回のテーマは「今の状況を曲で紹介するなら」です。

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こんにちは!
やっと昼夜の気温差が落ち着いてきて、湿気が少し重く感じる時期になりましたね。
夏に向けて、じわじわと暑くなってきている感覚もありますね〜
体調を崩さないように気をつけていきましょう!

写真は先日撮った紫陽花でアナベルという種類です。
紫陽花の花言葉はネガティブなものが多いですが、アナベルは「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」って誠実な意味を持つみたいです、素敵ですよね〜!

さて、今回のテーマは「今の状況を曲で紹介」。
実はこの6月、私にとってはちょっと苦しい月でもあります。
去年6月に大伯母と父方祖母、そして今年1月に母方祖母を亡くし、この1年は心の整理が追いつかない日々でした。
もともと音楽は日常的によく聴くのですが、この1年はとくに歌詞に心を支えてもらって、泣いて、癒されて……を繰り返していました。

そんな中で、3人を想って聴いている曲を2つ紹介したいと思います。

アポトーシス / Official髭男dism
アポトーシスは、細胞の自然死のこと。
医療職の方は学生時代に聞いたことがあるかもしれませんね。
この曲は、まるで人の一生をなぞっているようで、イントロから最後のフレーズまで胸をぎゅっと締めつけられるような感覚になります。
MV(ミュージックビデオ)もそんな構成なので、余計にそう感じるのかもしれません。
ぜひ見てみてください。

"今宵も明かりのないリビングで思い出と不意に出くわし やるせなさを背負い"
"解説もないまま次のページをめくる世界に戸惑いながら"
この歌詞、本当にセンスの塊ですよね……。
祖母の家のリビング、寝室、一緒に過ごしたたくさんの時間。
ぽっかり空いた心の穴がじんわりと痛みだして、気付いたら涙が流れていました。そんな状況を何度も何度も思い出させてくれる曲です。

祈り花 / 平井大
"愛しいあなたに届け祈り花
苦しみも痛みも全部愛に変えて
優しさに溢れたあなたに
今会いたくて触れたくて 響け心の叫び"

この曲は、平井大さんが亡くなったおばあさまへ向けて書いたそうです。
歌詞のひとつひとつが、心にそのまま染みてきます。3人とも本当に愛情深くて、存在そのものが大きかったんだと、失ってから気づきました。
「ありがとう」って、生きているうちにもっともっとたくさん伝えておけばよかったなあ……って思います。

終末期にある方と向き合う日々。
身内の死に直面した時、とんでもなく精神的ダメージを負ってしまって終末期だけでなく生死に関わる仕事を辞めようと思いました。何度も。
幾度となく涙を流しました。
冷静になろうとすればするほど心が反発してしまうようなそんな日々でした。

悲嘆の感じ方も辿るプロセスも全く同じ人はいないし、後悔のない死は多分ひとつもないと思ってます。
いつまで経っても患者さんの死が悲しくて慣れないって後輩が言ってました。
慣れなくていいし、看護師も人間なので少しでも関わった人の死は悲しくて当たり前です。

祖母の死期が近づいたとき、母が面会の度に「ごめんなぁ」と何度も言っているのを見て、「ばあちゃんは“ありがとう”の思い出話を聞きたいんじゃないかな」って伝えたんです。
葬儀のとき、母が「あの時、ちゃんと感謝を伝えられてよかった」と言ってくれました。
その言葉が、私の看護師としての経験はちゃんと活きてるのかもって自信になった瞬間でした。

最後に、元気づけてくれる曲をもう1曲。

On My MiND / Mrs. GREEN APPLE
"隣の芝生が時にはね 青く見えやがったり
痛んだりするけどね 貴方はね 貴方だけのね
道を歩めている しっかりと歩めてるよ"

たくさん色んなことがあったけども振り返ってみると、これまで歩いてきた道は、ひとつも無駄じゃなかったなって思えるようになりました。

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fractale~misato~
X:Misato(@shadow0810

推し活を生きがいとしているフッ軽な看護師。やりたいことを見つけて地方から上京するくらいにはとてつもなくアクティブ。看護師や医療職の交流会にも遠方からでも参加し、視野の広がりや人との繋がりを感じるのが好き。慢性期、回復期に3年、上京後糖尿病専門病院、整形外科病棟、コロナ関連の仕事、訪問看護等を経て終末期へ。その奥深さに沼って終末期ケア専門士やELNEC-Jなど積極的に知識を深めようと全力。カメラを抱え旅に出たり、街歩きするのが趣味。基本的にインドアの趣味を持っておらず、休みでも仕事でも1万歩超えレベルの散歩好き。

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