看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「2025年上半期オススメの1冊」を綴っていただきました。
---------------------
こんにちは。
夏本番…でしょうか。酷暑が続きますので、みなさま体調管理をしっかりしてくださいね。
さて、今回のテーマは「2025年上半期オススメの1冊」です。
子育てをされた方の中には「検索魔」になった方もいるのではないでしょうか。わたしもその1人でした。
変に医療の知識があるからか、「悪い方向」へ考えてしまって、検索しては、不安になるんです。
ある時、「自閉スペクトラム症」というワードにたどり着きました。
幼少期の発達障がい児に見られる行動などは定型発達児にも見られることなので、検索結果として辿り着きやすいっちゃ辿り着きやすいのですが、当時は漠然とした不安でいっぱいになりました。今思い返すと、ホルモンバランスの変化も育児の疲れもあり、余計に不安感が強かったと思います。
そんな時に読んだ本があったのでご紹介します。
少し古めの本で恐縮ですが、タイトルは『自閉症かな?と思ったとき 寝返り,ハイハイ,お座り,歩行からわかること』(診断と治療社)です。
そもそも自閉スペクトラム症(以下、ASD)は、社会的コミュニケーションの困難さ、興味の偏りや強いこだわりなどが特徴としてあげられる発達障がいの1つです。
ASDが認知されてきたからか、精神疾患の診断・統計マニュアルにASDが診断名として加わったからか明確な要因は不明ですが、年々ASDの方は増加傾向にあります。
ASDは症状的に早くても2歳くらいにならないと正確な診断を出すのは難しいです。先ほどお伝えしたように、定型時と似通う部分も多いのと、社会性を図るにはある程度の成長を必要とするからです。
ただし、“診断”はできないけど乳児期の発達の状態から様々な兆候は出ており、“予測をすることができる”。そして、それに早く気付き超早期療育をすることでその後の発達に効果的な影響を与えると説いているのがこの本です。
寝返りから何から、正しい形で習得することで、身体は発達していくのだそうです。習得できていないところが、いずれ何かしらの特性になってしまうとか。
超早期療育は、その発達段階のやり直しを赤ちゃんのうちからやっていきます。我が家に当てはめると、子どもはハイハイが短かった&変な形だったので、今は公園のトンネルなどを利用して少しでもハイハイをさせるようにしています。(後は微細運動の練習や目と手の協調運動なんかを遊びながらちらほら…)
わたしも不安だったし、なんなら今も不安は拭えませんが、せっかくなら発達を促せるようなかかわりをしてあげられたら良いのかな、なんて思って、日々子育てをしています。検索して不安になっているだけの時間はもったいないなと思っていたので、読んでよかったなと思える本でした。
もっと大きくなって、杞憂だったならよし!
療育は「丁寧な子育て」と言われているから、かかわったことは無駄にはならない!
診断されたとしても、かかわったことは成長する上で絶対良い方向に働いてくれるはず。
子育て中で不安になっているママさん、安心は買えないかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。
編集部からのお知らせ
フラクタルの3人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてXでご投稿ください。
-----------------------------
fractale~satomi~
X:さとみ(@minisatominy)
三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
about fractale
https://fractale3.com/satomi/