看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「いろんな国のこと」を綴っていただきました。
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こんにちは。
「お〜、セプテンバー!」と叫びたくなる、9月に突入です。
さて、今回のテーマは「いろんな国のこと」です。
おやおや、このテーマは得意分野か..??笑
ということでオーストラリアの看護について書きます。
ご存知な方もご存知でない方もいると思うのですが、わたしは10年近く前に看護留学なるものをしておりました。
ライセンスの関係で現地では働けないため、見学という形で幾つかの施設を訪問しました。
結論
「こっちの看護師になりたいいいいい!」
ではその理由を説明します。
病院で働いている時はお休みも少なく、立ちっぱなしで働き毎日へとへと。急なお休みが出たら人を増やすのではなく、いる人で対応。業務爆増。
トイレも行けず膀胱炎にもなる。
身についたスキルはご飯早食い。
冠婚葬祭すら休めないこともありました。
褒められることよりも、患者さんや医師に罵倒されることの方が多い。しかもそれがこちらに非があるわけではなく、患者さんに明らかに非があってもなので、気持ちがつらい。
オーストラリアのわたしが見た施設は、そんなことは全くありませんでした。
患者さんに非がある場合は、きちんと施設側が主張する。(筋力低下の人が独歩で転んでも、“勝手に歩いたのは患者さん”という考え方です。)看護師という立場が日本みたいに低くない。
施設スタッフは、休みをしっかり主張する。当たり前に3連休とか希望を入れます。「自由にしないと、スタッフが怒るんだよ~」と師長さんのお言葉もあり、確かにみんなすごい勢いでシフト希望を入れてます。希望表が真っ黒でした(笑)
当日の急なお休みの際には、看護師登録システムというものがあります。所属施設などは関係なく、そのシステムには多くの看護師が登録しており、お休みの登録をしております。急なお休みが出たら、その日にお休み登録されている人に順番に電話をかけて、人を補充します。
色々な施設を見学して、強く思ったことは、“こっちの看護師には人権があるな…”でした。大げさかもしれないけど、本当に強く強く感じました。当たり前が当たり前にできている。国が違うとこうも違うのかと、正直、日本の看護師に戻りたくなくなってしまいました。
まあ、もうかなり前の話ですし、今はもうだいぶ変わっているかもしれないのですし、わたしが見たところだけかもしれませんが…。
このような国による環境の差、少しでも縮まればと思いますが、なかなか難しいんでしょうね。
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X:さとみ(@minisatominy)
三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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