看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回のテーマは「実習の思い出」です。
---------------------
数週間前まで暑かったのに、急に涼しくなり「なんだか寒いな」と思うような気温が出現するようになりましたね。朝晩は本当に「いや、寒い」と思ってしまいます。
さて、今回のテーマは「実習の思い出」。
いやー、良い思い出なんて誰も持っていないのではないでしょうか。
完全アウェイな雰囲気。立つ場所すら与えられない狭いナースステーションと、アラームの鳴る雰囲気。いつ挨拶をしていいのかわからない感じと、挨拶をしても誰も手を止めないあの殺伐とした雰囲気は、看護師になって何十年と経っていますが、未だにトラウマのように思い出されます。
どの職業も学生の時の実習は大変と聞きます。教員になるための教員実習もかなり大変なのだとか。
しかし、あの看護学生の時の実習は、、、本当にひどいものでした。
大学出て、普通に商社とかに就職するとこういう洗礼はないわけで、、、いや、普通に会社で僕も働いていましたが、初日から楽しく働いていましたよ。本当、看護の世界だけが特別なんでしょうね。
とはいえ、そんな話は今は昔。
いま、学校で教員をしていて、実習の引率に行っていますので、いまの実習というのがよく分かる立場にいます。
本当、どの病院も学生を大切にしてくれます。学生ファーストという感じ。あいさつひとつにしても、仕事の手を止め、学生の方を向いてあいさつを聞いていただいてます。
これ、本当すごいなと思います。
こんなよい環境で実習できたなら、僕も楽しい看護学校生活を送っていただろうな・・・。
でも、自分も病棟で働いていたとき、看護学生を受け入れていましたが、学生には楽しく実習をしてもらいたいという気持ちで教えていましたね。学生が邪魔だなんて一度も思ったことなく。
たぶんここ数年ですよね。こういう「学生を大切に」という意識に変わったの。あとは地域柄もあるとは思いますが、少なくとも私が学生だった15年ぐらい前には、学生優先なんて微塵もなかったです(笑)
私が学生だったとき、学生の書く看護記録は手書きがメインでした。でも電子カルテも導入されてきている時代。特に僕はパソコンが得意だったため、パソコンの使用をクラスメイトに推進していました。しかし学校側は「手書きじゃないとだめです」の一点張り。「え?電子カルテの導入とかされているのに、手書きでは就職したあとに困りますよね」と学校の先生に伝えたら「では、記録様式もすべて統一したらパソコンでも良いです」となりました。そこで、学校指定のすべての記録様式をパソコンで書き込める様に変換。半日で変換し終えて、全員にデータを配布。翌日から全員がパソコンで記載できるように整備しました。
このころから、行動力だけはあった気がします。
いやな思い出しか無い実習ですが、この時の実習で楽しかった「精神科」と「在宅」だけはいまも続けています。もし呼吸器が楽しかったら、呼吸器の看護師になっていたのかもなと思います。
実習は、学生の人生を左右する大切な学習と考えて、学生と向き合っています。
編集部からのお知らせ
フラクタルのお二人に書いてもらいたいテーマを募集しています。
ご希望のテーマをこちら宛にメールをいただくか
#フラクタルのテーマ とハッシュタグをつけてXでご投稿ください。
-----------------------------
fractale~mizuki~
X:mizuki@おぬ15年目精神科看護師(@c_mikzuki)
乗り物好きな看護師。事務職、データベースエンジニアを経て31歳で看護師に。脳外科、回復期、精神科病棟を経験。その後は在宅医療を経験し、再度精神科病棟へ。看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」管理者。医療メディア「メディッコ」メンバー。看護師のキャリアについて考える「ナスキャリ部!」副部長(仮)。その他多数プロジェクトに参加。好きな言葉は「まだ見ぬ誰かの笑顔のために」。好きな看護技術はひげ剃り(その他ほぼ不得意)。好きな看護業務はリーダー業務。好きな都バスの路線は【業10】新橋~とうきょうスカイツリー駅前。
about fractale
https://fractale3.com/mizuki/