看護師クリエイティブプロジェクト「fractale」のみなさんが、毎回テーマに沿ってそれぞれの看護の足跡を残していく本企画。
「学びかたを学ぶことで看護師として生きる選択肢をふやしていく」ことをコンセプトに立ち上げたメディア「メディカLIBRARY」のスタッフが、毎回、フラクタルのみなさんにテーマを伝えています。
今回は「実習の思い出」を綴っていただきました。
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こんにちは。
すっかり寒くないですか…?ICUにいたときは、梗塞の増えてくるこのシーズンを“いよいよか…”とびびりながら迎えていたな、と懐かしい気持ちになります。
さて、今回のテーマは「実習の思い出」です。
実習中はとにかくすべてがつらい。
その中でも、一番つらかったこと。
それは、記録の嵐でした。恐らく10年以上前に実習を経験した方は共感してくださる方もいるのではないでしょうか。
そう、当時は紙ベース。
患者さんの全体像、会話、プラン、ケースレポート、記録という記録、全て、紙。
シャーペンの芯って、こんなにも早くなくなるのかというほど、一瞬でなくなる。
消しカスの山で、机はいっぱい。
中指にはペンだこ、小指の右側は、鉛筆の跡。
記録が終わると、時空が歪んだかの如く、時計の針が思ったよりもかなり進んでいる。
PC使えたらいいのに!!!と何度思ったか。
地獄の記録が終わったら、今度は睡眠時間を削って、翌日の勉強。
でも、寝落ち。それでも脳は緊張しているのか、睡眠は浅くなる。
ツワモノの同級生は「効率的な方法思いついた!!」と実習着をパジャマ代わりにしている人もいました(笑)
それくらい、1分1秒が貴重な実習期間。合間にSNS。(SNSの世界には夜通し記録やってるお仲間がたくさんいて、それもまた楽しかったしモチベーションになるのよね)
こうやって、体力削っているのに、実習ではツッコミだらけだし気を張るし、メンタルが削られる。
それが数週間続く。
今思い返すと本当につらかったけど、つらいということは一生懸命だったということもあって、鮮やかに記憶には残っている。患者さんとこんなにゆっくり関わることや、記録をあんなに添削してもらえることって、実臨床では早々ないし、すごい貴重だったなと。実は、どの実習の受け持ちも覚えている。また、医療機関側の患者選定も上手なのか、関わりやすくて変化のある患者さんを選んでくれるのよね。最後の振り返りでは、学生のほとんどが達成感と無力感と寂しさと、予後の悪い患者さんの場合患者さんの今のことを考えての涙を流すところまでがセットでした。頑張ったからこそ、得られる感動空間。つらかったけど、また頑張ろうって思ってしまう。
その後の打ち上げでは疲れ果てた体にアルコールが染みわたり、毎回誰かが暴走するんです。
本当にどの瞬間も青春だったな。いま、絶賛実習中の人は、いずれそう思える日が来ると信じて、ぜひ踏ん張ってほしいです。
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fractale~satomi~
X:さとみ(@minisatominy)
三度の飯よりお酒が大好きな飲兵衛看護師。仕事終わった瞬間からが本番だと思っている。仕事は真面目な自信あり。大学病院消化器外科3年、民間病院ICU2年、公立病院脳外科夜勤専従、訪問入浴、デイ、老健など1年の派遣生活を経て、メルボルンへ10ヶ月の看護留学。帰国後から訪問看護師として働き3年目。座右の銘は「笑う門には福来たる」。根からの明るい性格を最大限に利用し、日々楽しく訪問中。マルチポテンシャライトだから特技っていう特技はないけど、強いて言えばラポール形成が無駄に得意。今までクレームや担当変更がないのが密かな自慢。ちゃっかり保健師免許所有。
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