著者:川下貴士(松蔭大学看護学部精神看護学助教)
t-kawashimo@shoin-u.ac.jp
皆さんどうも。
とうとうこの日がやってきました。
明日の2024年8月30日。
ついに僕たちが書いた本が出版されます!
それと同時に僕の実名も公表されます!
申し遅れました。
僕は、松蔭大学看護学部で精神看護学の教員をしている川下貴士と言います。
2018年7月に突如として現れた無名な精神科看護師もこれでおしまいです。
知人からは無名な僕に対して、「ムメさん」という愛称をつけていただきました。
実はこの愛称すごく気に入ってます!
当時は本を出版したくて、精神科訪問看護師をしながら夢をみていました。
僕自身を無名と言うのも自分への皮肉です。
しかし、今、ようやく一つの夢を叶えようとしています。うれしい限りです。
そして、今回、本の出版と同時に本の共著者でもある小野坂先生とWeb連載することも決定しました!
タイトルは【恥さらしのコミュニケーション】。
これまで数々のコミュニケーションによる失敗談を隠すことなく恥をさらそうじゃないか!
僕たち精神科看護師が失敗を通して、何を学んだのか?
この機会に振り返ってみようと思います。
僕たちの失敗談が読者の皆さんの少しでもお役に立てればそんな光栄なことはありません。
さて、記念すべき初回は、僕のプロフィールを少しだけ話させてください。
僕は新卒から精神科領域で働いてきました。
そのため、ほかの領域を知りません。
新卒から精神科を選んだ理由の1つに、学生のときの先生が教えてくれた言葉が今でも心に残っています。
『精神看護はコミュニケーションが治療になる』
当時はまったく意味がわからなかった言葉。
だけどもなぜか僕の心にビンビンに刺さっているのです。
手術や薬物療法以外にも治療の手立てがあるのか?
少ない知識のなかで一生懸命、先生の言葉の意味を何とか自分なりに咀嚼しようと必死でした。
この言葉をようやく少しずつ理解できるようになったのは、働きだしてからまだまだ数年先の話。
それでもその言葉に魅了され続け、現に僕は今でも精神看護領域で働いています。
ここで白状します。
僕は患者さんとのコミュニケーションは得意でしたが、職場の人とのコミュニケーションは苦手でした。
お恥ずかしい。
だけど、患者さんにおいても、職場の人においてもあきらめることなく、コミュニケーションを図り続けました。
たくさん失敗し、失敗を振り返り、改善してまた失敗する。
この永遠ループのコミュニケーション。
答えがないゆえの難しさ。
難しいけど楽しい。
そして、今、僕が思うのは、コミュニケーションがうまくて損はない。
そんなコミュニケーションに関する失敗談をこれから、包み隠さず話します。
まさに僕らの黒歴史。
いいや大いなる財産。
はじめからコミュニケーションがうまい人なんていません。
たくさんトライして、たくさん失敗する。
これがコミュニケーションがうまくなる最大の秘訣だと僕は思っています。
最後に少しだけ本の中身を紹介させてもらいますね!
コミュニケーションがうまくなるための50のことを書いていますが、それ以外に執筆に協力していただいた精神科看護師の方にコミュニケーションの失敗談というコラムを書いてもらっています。
僕と小野坂先生は書いてないんですね。
そこからWeb連載の話になったのです。裏話です。
少しだけ宣伝も!
日本看護協会出版会『コミュニティケア』誌9月号から「精神科訪問看護へようこそ」の1話が連載されています。
全12話の予定ですので、興味のある方はこちらの雑誌も読んでいただけるとうれしいです!
それでは、共著者の小野坂先生にバトンタッチします!
ムメさんさようなら。
※感想や質問などがございましたら、メールアドレスまで連絡していただけるとうれしいです!
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